上記の言葉は、最初の高血圧のところで出てきたものです。
安保先生は極寒の地で人々が生きていくために、また過酷な肉体労働を行わなければならなかった人々がそれを乗り切って力をだしていくために、体温を上げる必要があること、そしてそのためには血流量の増加が必要であり、血圧や脈拍を増加させることで血流量増加を図り、塩分を取って身体を温めていたということを説明してくださいました。ですから<血圧が高い>ということは、それ自体を悪とするのではなくて、身体を維持するために必要なプロセスの結果として、起こっていたのだという認識を欠かしてはいけない、ということなのですね。
私たちは何か体の変化が起こった時、それを「病的な変化」として敵対視しがちですが、身体の変化はその人の生き様そのものであり、またそれは人生を乗り切るために必要とされた変化だと考えると、共に苦労してきた自分の身体に対して、向けるまなざしが変わってきますよね。
安保先生のお話は、人間の身体のはたらきについて説明されたものですがなんだか人生の哲学のようだと思いながら聞いていました。
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