国立科学博物館附属自然教育園は、東京メトロ南北線/三田線 白金台駅、JR山手線目黒駅から徒歩圏内の大きな森です。
目黒通り沿いにあり、首都高速目黒入口も300m付近で、交通量も多いところですが、敷地の中に入ると鳥の声が聞こえて静かです。
入場券を買うと、ピンク色のリボンのついた安全ピンを渡されました。
随分レトロな感じです。券売機の裏の建物にはコインロッカーもあるので
ちょっと荷物のある時は便利です。
説明の看板によると、このあたりは縄文中期に人が住みつき、室町時代は豪族 白金長者が館を構え、江戸時代は高松藩主松平讃岐守頼重の下屋敷となり、明治時代は海軍省・陸軍省の火薬庫が置かれ、大正時代は宮内庁の白金御料地となり、昭和24(1949)年、国の天然記念物になったのだそうです。
園内には白金長者が外敵や野火から守るために築いた土塁が、遺されています。木の葉に埋もれた館跡を眺めていると、時間感覚がどこかに行ってしまいそうです。
また松平讃岐守の下屋敷の面影がいたるところに垣間見え、樹齢300年と伝わる「大蛇(おろち)の松」は、まるで天に向かってのぼっていくようです。クロマツの幹のごつごつ感が、近くで見るとすごいど迫力です。幹が大きく分かれて見事に枝を伸ばす「物語の松」もあり、ひょうたん池など、水生植物も多彩で、今では手入れが行き届いているというよりは、野趣あふれる回遊式庭園といった感じです。
11月初旬に行きましたがまだ公園内は緑がほとんどで、少し黄色が混じる感じですが、赤い葉っぱは水生植物園のあたりにようやくみられていました。
昭和7(1932)年、牧野富太郎博士によって発見されたトラノオスズカケは、その後、昭和24(1949)年には絶えてしまったそうですが、平成20(2008)年に再び、開花したそうです。あいにく今年のお花の時期は終わってしまったようですが、緑の葉っぱは活き活きとしていました。
とても静かで人影も少ないところなので、落ち着いて水彩画を描いたり、じっくりカメラで写真撮影している人が、思い思いの過ごし方でのんびり過ごされていました。
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