2015年7月、東京 中央区の浜離宮恩賜庭園に行ってみました。まだ梅雨のあけない東京は、あいにくの小雨続きでしたが、最初に受付の方が庭園内でぬかるみの多そうな場所を教えてくれたので(内馬場跡と新銭座鴨場)、そのあたりは避けて散策してみることにしました。庭園内の散策路には砂利が敷かれているところが多かったおかげで、比較的スムーズに庭園を巡ることができました。さすがに車いすでの移動は難しいと思いますが、一部を除き、庭園内はほとんどが平坦な場所なので、ゆっくり歩くことができる方は十分楽しめますよ。
そして、豊かな緑の葉の上に、美しい雨の滴がいくつも、ころころと!
雨ならではの、楽しみ方も十分できます。
さて、こちらの庭園は17世紀半ばに四代将軍徳川家綱の弟、松平綱重が作った屋敷がその後将軍家の別邸となり、造園と改修工事が重ねられ、十一代将軍徳川家斉の時代に現在の姿の庭園に近い状態になったのだそうです。
その後、明治維新を経て皇室の離宮となりましたが、1945(昭和20)年に東京都に下賜された後、翌年から公開されるようになったのだそうです。
場所としては汐留駅、新橋駅から近く、また、庭園の西側には南北にかけて、本当にすぐそばを首都高速が並走しています。ここは海水を引き込んで作られている池を取り囲むように、鮮やかな緑の芝生と深い森のような木々が植えられているので、ビルの林立する都会のなかに、不思議な平坦な空間が突然ぽっかりあいた、といった印象を受けます。そして、とっても静か。交通量が多い平日のデイタイムだというのに。
築地川にかけられた大手門橋を越えると、庭園入口の巨大な石積みが見えてきます。その切り出しされた線が大変美しく、大きさに圧倒されます!
大手門出入口を進むと、すぐそばに「三百年の松」があるのですが、あまりにも大きくて、その枝ぶりも非常に見事で、そこに特別なエネルギーが宿っているかのような感じを受けます。三百年もの間、何を見て、何を考えてきたのかなあ。
庭園内はきれいに剪定された松だけでなく、自由に葉を茂らせている木々が多くあるせいか、鳥の数も多くて、びっくりです。横堀水門の向こう側は、もう東京湾だけど、塩害はあまり受けないのかなあ?
庭園内の大きな池にかけられた橋は、四角形と直線が組み合わされた造形で、丸みのある池の渕とのコントラストが非常に美しく感じられます。短い距離の渡し場は美しい曲線の橋。どちらもきれいです。
庭園内にはノウゼンカズラが美しいお花を咲かせていました。お花畑には、6月初旬にまかれたコスモスの種がしっかりと根付いて、葉を茂らしていました。きっと秋になったら、色とりどりのコスモスが風に揺られているのだろうと思います。
庭園ガイド(UC:ユビキタス・コミュニケータ)は、入口で無料で借りることができます。いちいち番号を押さなくても、散策と共にUCが必要な音声ガイドを判断して、流してくれるため、便利です。
庭園北東には、浅草まで行ける水上バスが発着しているので、水路からの東京見物もいいですね。
東京湾から吹く風も、ここの芝生と木々の緑で浄化されているような気がするなあ。
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