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病気と一緒に生きていくこと
自信を失くしたお子さんのために

長期入院や自宅静養をされていたお子さんにとって、通園・通学は目標であり、それを楽しみに頑張っていらっしゃるお子さんも多いでしょう。
学校で過ごす時間が、思い描いたような明るいものであれば安心ですが、実際にはそれが負担になってしまうお子さんもいらっしゃいます。
ご両親にとっては「あんなに行きたがっていた学校なのに、どうして行きたくないと言うんだろうか…」「どこか病気が悪くなったのだろうか…」と心配が尽きないことでしょう。
負担に思う理由はお子さんによって異なると思いますが、そのうちの一つが自信の喪失だと思います。
「できないこと」「わからないこと」それはもちろん学校に行っていなかった分、経験できていないのですから自然なことであるはずなのに、本人はまるで自分の能力が足りなくて、劣っているかのように思い、引け目を感じてしまうのです。だんだんそれが重なると「学校に行っても楽しくない」と思うようになるかもしれません。
ご両親は当惑するかもしれません。

2013年アルフォンス・デーケン先生のキリスト教入門講座 前期(東京都千代田区 岐部ホール)で2013年前期に勉強させてもらった時、生きがいに関する講義の際に、デーケン先生が20年ほど前に書かれた次の資料をいただきました。そこには「潜在能力」について触れられていました。

私たちには、まだ自分でも気づかずに持っている潜在的な能力がたくさんあるのです。それを十分に発揮させることは、私たちに現在の生命を賜った神に応える一つの道でもあると思います。


引用文献:
アルフォンス・デーケン(1993)「キリスト教と私」聖母の騎士, 10月号, p.3

デーケン先生はカトリックの神父様でいらっしゃいますから、もちろん
「現在の生命を賜った神に応える一つの道」という表現をされていますが
「この世に生まれてきたことに応える一つの道」というように読み替えても良いのではないかと思います。
病気のお子さんの持つ潜在的な能力は、これまで大きな病気をしてこなかったお子さんと同じようにあるはず。その潜在的な能力がどんどん引き出されるようになれば、お子さんも自分に自信を持てるようになるのではないかと思います。
デーケン先生は潜在能力について、講義で次のようにおっしゃいました。

「潜在能力を開発することが、生きがいにつながります。」
「励ましによって真価を発揮するのです。」


引用:
2013/5/29 キリスト教入門講座 アルフォンス・デーケン先生の言葉より(於:東京都千代田区 岐部ホール)
「真価を発揮する」とは、埋もれていた、誰も気付かなかった能力を掘り起こして、その力を存分に使うことだと理解できると思います。

「でも励ましていいものだろうか…」そんな風に心配される方もいらっしゃるでしょう。たとえば抑うつ状態の方には励ましてはいけない、ということは広く言われていることです。「これ以上頑張れというのは、本人にとって負担になるから言ってはいけない」と。

しかしながら 真価を発揮するような導きをもたらす「励まし」はきっとあるはずだと私は個人的に思っています。それはできないお子さんを叱咤するのではなくて、無理強いするのではなくて、「頑張ってみよう」という気持ちを萌芽させるような気持ちを引き出す関わりだと思います。
真価を発揮する励ましとは
「できるようにとお子さんを励ますこと」のではなくて
「できるように努力しているお子さんの姿勢に共感すること」だと私は考えています。たとえ短い言葉でも、ご両親がお子さんに共感した気持ちを伝えることによって、お子さんは「未来の自分」ではなくて「今の自分」に自信をもてるようになることでしょう。
そして、今はお子さんが頑張ろうとする気持ちが起こらなくても、おそらくこれまでたくさん頑張ってきたはずなのですから、それに対するねぎらいの言葉をご両親からお子さんへかけてほしいです。
それはお子さんにとって「過去の自分」が認められたことになるのですから…。そうやって過去の自分と今の自分がつながっていくことは、お子さんが「自分自身」をしっかりさせていく上で大切だと思います。
 
長く病気を患ってきたお子さんは、小さな頃から世間の基準に翻弄されてきたはず。でもその分、健康に過ごしてきたお子さんよりも「自分」をしっかり持つ力があると思います。             
長原恵子