病児・家族支援研究室 Lana-Peace(ラナ・ピース)
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何か新しいことを始めようとした時、必ずしも順調に進むとは限りません。特に病気のお子さんにとっては、ハードルが高いことがあるかもしれません。やりたい気持ちは強くあるけれども、体調のせいで思ったようには上手にできず、苛々したり、自信を失ったり…。

今日ご紹介したいお話はアメリカの医師 ジョーン・ボリセンコ先生の体験談です。ジョーン先生は健康のためにジョギングを始めようと思い立たれました。でも煙草のせいで肺がダメージを受け、自分の身体は運動には向いていない、と苦痛だったそうです。
その時、テレビ番組で自分よりももっと年上で、体重の重かった方のお話を目にしたそうです。その方は外の自宅の郵便受けまで走ることから始め、だんだん距離が伸びて、15km休まず走れるようになったというお話を知ったのです。ジョーン先生はそこで、頑張ってみることにしました。
「彼女にできるなら…」「わたしにもできるんだ…」
そう心の中でつぶやき、自分を励まされたそうです。
そしてついに、2、3カ月後に、8km走れるようになったのだそうです。

忘れてはならないことは、やるときは、ただやるだけなのです。悲観的になってはならないのです。
こころの中に、言訳や悩みに対抗できるような足場を作るのに何年もかかりました。
そうしたものを取り除けるには時間がかかるものです。
自分のやったことをあれこれ評価してはなりません。ジョギング初心者のように、「すばらしい ― やったあ」と思うことです。「良いジョギングだった」とか、悪いジョギングだったとか、考えてはならないのです。
それはただ、ジョギングなのです。それだけでいいのです。


引用文献:
ジョーン・ボリセンコ著, 伊東博訳(1990)
『からだに聞いてこころを調える』誠信書房, pp.42-43

お子さんが病気で長い間、入院が必要になった場合、学校のこといろいろと気になることでしょう。病院によっては院内学級を設けているところもありますが、全国どこでもそうしたシステムを利用できるところばかりではありません。普段は穏やかな性格のお子さんでも焦る気持ちが起こり、苛々するようになるかもしれません。
でも、ただ無心にやってみること、それは気持ちを軽く解放してくれるかもしれません。早くできようと、時間がかかろうと、上手にできようと、できなかろうと、とにかくやろうという気持ちがあるのならば、何よりそれが一番。
それをただ無心にやり続けたら、結果が後からついてくるような気がいたします。
評価を気にしないで何か続けていくうちに、何かに打ち込むことの楽しさを知るようになり、もしかしたらそれを好んでやるようになり、積み上げてきたものによって生まれ出た結果によって、新しい、考えもしなかった道が開けてくるかもしれないから。

 
お子さんが、何か一生懸命になれるものが見つかりますように。
2014/3/12  長原恵子