病児・家族支援研究室 Lana-Peace(ラナ・ピース)
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家族の気持ちが行き詰まった時
古い価値観から脱却し、今を生きる

パール・バック氏は我が娘の身の上に起きている不条理さや悲しみに対して、あれこれと魂レベルで反抗することをやめました。そしてお嬢さんのことだけを考えるようになりました。バック氏はそれを「手さぐりで人生と調和する」と表現しました。いったいどういう意味なのか『母よ嘆くなかれ[新訳版]』を読み進めてみましょう。

わたしが、自分を中心にものごとを考えている限り、人生は耐えられないものであったのです。そしてその中心をほんの少しでも自分自身から外すことができるようになったとき、悲しみはたとえ安易に耐えられないにしても、耐えられる可能性のあるものだということを理解できるようになったのです。


引用文献:
パール・バック著, 伊藤隆二訳(1993)
『母よ嘆くなかれ[新訳版]』法政大学出版局, pp.80-81

「自分中心にものごとを考える」ということは、「自分」の価値観によって様々なことを判断し、感情を生み出すということだろうと思います。それでは、なぜその状態では人生を耐えることはできないのでしょう。
それは本来自分自身を構成する大切な要素であるはずの価値観が、一方では自分自身を苦しくがんじがらめにするからだと思います。
価値観にそぐわないものは自分にとって「良くない」ものであり、「気に入らない」ものかもしれません。そのように思い出すと、自分の価値観が居心地の悪い状況を作り出してしまうのです。
そうなのであれば「自分」をものごとを考える中心からはずしてみることが、状況を改善するためには有効かもしれません。
これまでの価値観を手放してみること。
自分はニュートラルな立ち位置で考えてみること。
あるいは誰か別の新しい価値観を取り入れて考えてみること。
それらによって、見えなかったものが見えてくるのかもしれません。
特に、お子さんの病気のことでずいぶんと心を痛め、悩んできたご両親にとっては、今一度、ご自身の価値観を見つめなおしてほしいのです。

バック氏は悲しみ、病気、不利益といったものから、多くの学びが得られることを次のように述べました。

わたしたちは、喜びからと同様に悲しみからも、健康からと同様に病気からも、また利益からと同様に不利益(ハンディキャップ) からも − おそらく後者のほうから、より多くのことを学ぶことができるのです。
人の魂は、十分に満たされた状態から最高水準に達することは滅多にありません。むしろ逆に、奪われれば奪われるほど、最高水準にむかっていくものなのです。


引用文献:前掲書, p.129

どうして、満たされず、奪われた状態から魂が最高水準に向かっていくのでしょうか。
私なりに考えてみると「満たされる」という言葉の持つ意味や深さを、吟味できるような過程を経るからだと思います。
そして、最終的に本物の価値高い物に出会えるからだと思います。
満たされず、奪われた状態とはすなわち、これからどんどん補給され、取り入れていく余地が十分あると考えられるのですから。

あなたは今はわからないかもしれませんが、あなたのお子さんの存在の目的を果たし、お子さんと共に生きる間に、必ず本当の喜びを見出すことになるのです。(略)わたしたちは生きている限り、過去に生きるものではありません。


引用文献:前掲書, p.133

バック氏は「今」はわからなくても、「共に生きる間」すなわち「未来」に必ず喜びを見出すことを示しています。そして、私たちは「過去」に生きるものではない、と言い切っています。先ほどの魂の学びと重なってくる部分があると思いませんか?
過去を悔やむことによって、「過去」に自分のエネルギーを吸い取られるのは、あまりにももったいない。
とにかく、今お子さんとの時間を大事に過ごすことは、これから最高水準の未来を引き寄せ、魂の向上につながり、それは喜びへとつながる…。
そして満たされていない状態から始まるからこそ、満たされる未来が導かれ、そこに喜びが見出されるのです。
そうした時間の過ごし方は、瞬間瞬間を慈しむことでもあり「カイロス」と呼べるのではないでしょうか。
カイロスについては、もっと紙面を割いてお伝えしたいことがあるので、また別の機会に…

 
お子さんの病気のことで、いろいろと心が疲れてしまった時は、一度ご自分の価値観を横において、お昼寝してみましょ!
あなたのエネルギー補給が、まず必要ですから…。      
長原恵子