病児・家族支援研究室 Lana-Peace(ラナ・ピース)
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家族の気持ちが行き詰まった時
心と身体のつながり

お子さんが病気になって治療が始まった時、ご両親の中には寂しい思いをする方もいらっしゃるかもしれません。普段の生活とは縁遠い医療機器、モニターの音、忙しそうに立ち動く医療従事者、そんな中で、自分は我が子のために、一体何ができるのだろうかと…。
自分がとても無力な存在のように思えてくるかもしれません。
今日はそうした鬱々とした気持ちになったご両親に、お届けしたい言葉があります。アメリカの医師 バーニー・シーゲル先生の言葉です。
シーゲル先生は人間の持つ自己治癒力の底力を信じて、治療にあたってこられた先生です。その中でも心と身体のつながりについて説かれた部分を読むと、「病は気から」と言われる言葉が決してただの口頭伝承なのではなく、医学的にも説明することのできる側面を持っていることに気付かされます。

心と体の橋わたしをしているのは、脳でつくられるメッセンジャー分子のペプチドと免疫系である。体内にはわかっているだけでも約六十種のペプチドがあり、なかでもエンドルフィン、インターロイキン、インターフエロンなどはよく知られている。
これらは感情を化学作用に変え、精神と肉体とをつなぐ役割をはたしている。たとえば、プラシーボ効果をつくりだすのはエンドルフィンであるらしいことが、最近わかってきた。プラシーボの投与によって生まれた期待感が、痛みをおさえる働きのあるエンドルフィンの生産を増加させるのだ。
この事実から、多くの研究で報告されている、プラシーボの鎮痛効果が生理学的に説明できる。
つまり、痛みの軽減は、実は「頭の働き」であるといえる
― 頭がエンドルフィンの製造場所だからだ。

引用文献:
B・S・シーゲル著, 相原真理子訳(1993)『シーゲル博士の心の健康法』新潮社, p.36

どうやら「脳でつくられるメッセンジャー分子のペプチド」が、重要な役割を担っていることがわかります。
それはどんな風に働いているのでしょうか。

心と体は同じ情報の異なる表現体である。この情報はペプチドという化学伝達物質によって運ばれる。人間や動物、植物、卵、種子から単細胞生物にいたるあらゆる生物体の中で、ペプチドは情報を伝達するメッセンジャー分子として働いている。
人間の場合、ペプチドは知覚、思考、感情を脳から伝達されるメッセージに変え、ホルモンの分泌や細胞の働きを促す。そして、終りのないフィードバックの輪を循環して、心と脳にまた戻ってくる。
この輪の上の最も重要な点、つまり心と体が各種ペプチドの作用によって出会い、交差する場所は、大脳辺縁系にある。ここにはびっしりと受容器が集まっており、科学者はここを「ホットスポット」と呼んでいる。
ペプチドはこれらのレセプターの中に、鍵が鍵穴に入るようにぴったりとおさまって、そのレセプターがのっている細胞の働きを促す。
しかし、ペプチドのレセプターのホットスポットがあるのは脳だけではない。腸と胃の内側にも、レセプターは多い。(略)

キャンディシー・パートの言葉によれば、
「感情とは体内で表わされるものであり、身体的な現象である。私にはもう脳と体を明確に区別することはできない……実際、神経ペプチドについて知れば知るほど、心と体を従来通りの概念でとらえることが難しくなってくる。むしろ、心と体を統合された一つのもの ― 「心身』と考えるのが道理にかなっているように思われるのだ」

引用文献: 前掲書, pp.60-61

たとえば「治っていく」という過程の一部が、いくつもの「細胞の働き」が集合したものだと考えた場合、「知覚・思考・感情」がその働きかけに影響を及ぼす一端を担っているのだとわかると、自分の気持ちや心がけをおろそかに考えてはいけないということがわかってきます。

気持ちや心がけを生み出す元は自分自身。
それは薬によってどうにかされるものではありませんし、どうにかできるものでもないでしょう。
治る仕組み(プロセス)を作っていくために、お子さん「自身」を変えていけるのは、医療の力の及ぶところではありません。
成長過程にある子どもだからこそ、ご両親の力が大きく発揮されるのだと思います。

 
あなたのお子さんの病気が良い方向へ向かっていくために、あなたにはできることがたくさんあるのです。どうか自信をなくさないで。
長原恵子