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心肺蘇生を受けたこども 2-そばで守ってくれる人

「心肺蘇生を受けたこども 1-金色の道と神様」では心肺蘇生を受けていたお子さんが、体外離脱しており、まったく苦しんでいなかったというお話を取り上げました。それでは、もしもぎりぎりまで意識があった場合は、どうなのでしょうか。
今日は、ケンタッキー大学神経学教授のケヴィイン・ネルソン氏の著書『死と神秘と夢のボーダーランド』に登場する女性のお話をご紹介したいと思います。

ジャンさんは自宅で、銃の暴発による事故にあってしまいました。ガレージの作業にあったリボルバー(回転式拳銃)に、誤って腰が触れてしまったのです。その銃はご主人が、手入れをしていた途中だったのでしょう。実弾が込められた状態で、置きっぱなしになっていました。それが落下し、偶然引き金が引かれることになったようです。発射された銃弾はジャンさんの左腹部から肝臓を裂いて右肺に入って止まり、大量の内出血を引き起こしてしまいました。ジャンさんはショック状態に陥り、運ばれた地元の病院から別の外傷センターにヘリコプターで搬送されました。その時には、ジャンさんの脈は辛うじて触れるというレベルだったそうです。筋弛緩薬と麻酔薬が投与され、人工呼吸器につながれ、銃が貫通して損傷した場所はないか、医師は内臓を手さぐりで確認していたそうですが、この時、ご本人の意識と記憶はあったそうです。その痛みを次のように回想されています。

執刀医が腸をしごいた時の痛さときたら、10段階で言えば15。


引用文献:
ケヴィン・ネルソン著, 小松淳子訳(2013)『死と神秘と夢のボーダーランド 死ぬとき、脳はなにを感じるか』インターシフト, p.53

そんな話を聞いたら卒倒しそうですね。でも、そのような恐ろしい状況がいつまでも続いたわけではないのです。

ところが、心臓マッサージをされた時、身体の左側にぼうっと光るものがあることに気づいたんです。
そのとたん、信じられないほどの愛と慰めと思いやりに包まれたの。死んだ母がそばにいて、まだ死ぬのは早いわ、私が守ってあげるとささやているのが分かったわ。
それですっかり心が落ち着いて、ありがたいことに気を失ってしまったのです。


引用文献:前掲書, p.53

ジャンさんは回復しましたが、ジャンさんが心臓マッサージを行われている間の処置の詳細を知っており、またその間に医師同士で話していたことも知っていたことがわかると、担当医師は、愕然としたそうです。心臓マッサージを受けている人が、まさかその状況を把握しているなどと、思うはずもありませんから。医学的な判断として捉えられる「意識がある、意識がない」といった状態の枠組を大きく超えた、何かによって、それを把握できたのでしょうか。
それはともかくとして、心臓マッサージを受けるような状況であっても、その時、守ってくれている方がいたことは嬉しい話です。ジャンさんの場合は先立った家族が登場していますが、蘇生をしている時にそばに「天使」が来ている、という話もあります。それは本人ではなく、看護師が目撃談によるものですが…。

 
家族であっても、天使であっても、助かっても、亡くなったとしても、お子さんはその場で決して恐怖に晒されてはいません。孤独になっているわけでもありません。それは確かな事実なのだと思います。  
長原恵子
 

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「心肺蘇生を受けたこども 3-人生を導いた天使の言葉」