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家族の気持ちが行き詰まった時
自分自身の価値観が生み出す幸せ

前回、「悲しみを受け入れた先の新しい道」では、パール・バック氏がご自身のお嬢さんの病気と発達の遅れについて向き合っていくうちに、悲しみを十分に受けいれると、知恵に変わり、それが幸福をもたらすことを見出したお話を紹介いたしました。まだお読みになっていない方は、バック氏のお嬢さんの病気について触れた「悲しみを受け入れた先の新しい道」をお読みください。

今日はバック氏の気持ちの変化について注目したいと思います。

わたしの胸をついて出た最初の叫び声は、「どうしてこのわたしがこんな目に遭わなくてはならないの?」という、そうです、避けることのできない悲しみを前にした人はだれもが、昔から幾度となく発してきた、あの叫び声だったのです。
この疑問にたいする答えはありうるはずもなく、じじつ、なにもありませんでした。そして、とうとう絶対に答えがないのだと悟ったとき、わたしは意味のないものから意味をつくり出そう、たとえそれが自己流の答えであってもよい、答えをつくり出そう、そんなふうに決意したのです。(1)

娘の生命はみんなのようではないとしても、彼女だけのあり方で価値あるものと認めなくてはならないのです。(略)わたしがこのように心を決めるまでには時間がかかりました。少しずつ、少しずつ決心を固めていったのです。(2)

引用文献:
(1)パール・バック著, 伊藤隆二訳(1993)
『母よ嘆くなかれ[新訳版]』法政大学出版局, pp.7-8

(2)パール・バック著, 伊藤隆二訳(1993)
『母よ嘆くなかれ[新訳版]』法政大学出版局, pp.8-9

みなさんはお子さんへの願いとして「健康であってほしい」「病気にならないでほしい」というもののほかに、「大きくなったらこんなふうになってほしい」といった希望もお持ちだと思います。
その希望は、みなさんの持つそれぞれの価値観によって、生まれてきたものです。それは、これまで生きてきた経験に基づいたものもあるでしょうし、あなたを取り巻く家族、友人、学校、職場、地域社会…そうした人からの影響も多分に受けていると思います。
こうあってほしいと願う姿のあり方が、他の多くの方とは違う場合、そこに賛同や共感を得ることは難しいかもしれません。
時にはあなたの心の中で、孤独や疎外感を生み出すことにつながるかもしれません。
また、居心地の悪さ、落ち着きの悪さをもたらすかもしれません。
でも他人の目など、どうでも良いではないですか。
あなたはお子さんと共に人生を楽しんだり、幸せに思える瞬間を享受する権利があるのですから。そして、それは他人が作り出してくれるものではなく、お膳立てしてくれるものではなく、あなたとお子さんが生み出していくものなのです。

他人の価値観は無責任なものです。
時の流れによって、かつて「良い」と思われていたものが「悪く」なったり、「そんなことありえない」と思われていたものが、「それも十分ありだ」と評価されるようになったり…。
あなたがお子さんと共に楽しく、幸せを感じることのできる価値観を持っていれば、周囲のその時々に変化する価値観に振り回されて、翻弄されることなどありません。

では、その価値観はどうすれば見出せるのでしょうか?
自分自身の病気の経験からお伝えするならば、
「だから、何だ!」を繰り返してほしいのです。
心の中で様々な考えが渦巻くなか、
「OOOOと思われたらどうしよう」
「だから、何だ!」
「だって△△△△と言われるかもしれない」
「だから、何だ!」
自問自答しているうちに、自分が本当に求めているものは何か、少しずつ見えてくると思います。
また、自分が思うほど、他人は自分のことなど気にしていないものです。

あなたの価値観があなた自身の幸せを作り出していきます。
それはお子さんの幸せにもつながっていくことです。

たとえ自己流でも良いから、意味のないものから意味をつくり出し、他者との比較や世間一般の価値観からではなく、その人独自の価値観から、お子さんのかけがえのない価値を見出す、というバック氏の姿は、お嬢さんの誕生から90年以上経った今も、深く心に伝わるものだと思います。

 
あなたとお子さんが、ご自身の生み出した価値観によって、たくさんの幸せをつかみ取れますように…。
長原恵子