病児・家族支援研究室 Lana-Peace(ラナ・ピース)
 
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過去にとらわれない新たな幸せと回復の関係

代替医療、というとその効果にどこか信憑性が欠け、「気休め」的な視線を向けている方も多いと思います。今は失笑を買うような扱いを受け、正式な治療の選択肢の一つとして、ディスカッションのテーブルにあげられなくても、現に患者が望むような効果を実際にあげているとしたならば…アメリカのケリー・ターナー先生は、1,000本以上の医学論文を調べ上げ、また10カ国を訪問して代替療法を施術している方々50名にインタビューをし、劇的な寛解を遂げた患者(というより、元患者といった方が正しいですね)20名にインタビューされた方です。そして、それらを通してわかってきたことを『がんが自然に治る生き方』という本に発表されました。
そこには本人の気持ち、感じ方が、とても大事であることが記されていました。

劇的な寛解を遂げた人々は、毎日の歯の手入れや運動について話すように、愛やよろこび、幸せを感じる方法について説明してくれました。彼らは、幸せは日々訓練すれば手に入る、生活習慣のようなものだと考えていたのです。

これは面白い発想です。わたしたちは一般に、幸福を、そのように生まれてきたか否か、という発想でとらえています。幸せに生まれてきたか、そうでないか。コップに半分入った水をみれば、自分は水側にいるか、空の部分にいるかというふうに。

がんの回復者や治療者は、こうは考えません。日々、幸せを感じるよう努めていれば、いつも、どんな人でも、幸せにすごせるようになるものだと考えるのです。

もっとも彼らも、がん宣告の直後から、幸せを感じていたわけではありません。そんなことは不可能です。
けれども、すぐに気がつきました。恐怖におののいて日々をすごすのは、楽しくないし、免疫力を下げるだろうと。

そこで彼らは、一日二、三分でもいいから恐怖に怯えるのをやめて、何かをよろこぶ時聞をつくろうとしました。たとえば、ユーチューブのビデオを見て笑ったという人もいれば、ヨガのレッス
ンに行くことにした人、あるいは大切な人に電話したという人もいました。こうやって少しずつ、努力して、よろこびの時聞を増やすようにしていきました。

すると、よろこびを得るために時間を費やすほど、時間をかけずによろこべるようになり、その効果は終日、ずっと続くようになると判明しました。よろこびを得ることは、「楽になる」という点では、鎮痛剤と同じ効果があるともいえるのです。


引用文献:
ケリー・ターナー著, 長田美穂訳(2014)『がんが自然に治る生き方』プレジデント社, pp.220-221

「幸せは日々訓練すれば手に入る、生活習慣のようなもの」と表現されると「そんな簡単なものじゃない!」と反論が出てきそうですね。
しかし、そもそも「幸せかどうか」を判断するのは、その人自身の心。つまり自分自身の価値観によって、幸せかどうかに分かれていくのであれば、より多くの幸せを感じられるための「やり方」を、身に着けていくことって大事です。それはたとえば、コップの水を「もう半分しかない」から「まだ半分もある」といった思考パターンへと変えられるように…。

ただ、ポジティブな思考だから良い、というわけでもなさそうです。ターナー先生は、追いかける幸せの時間軸が「過去」に向かっている時の怖さについて、次のように述べています。

一般的に、肯定的な感情に目を向けるのはよいことだと考えられています。けれどもその幸福感がその人の過去に結びついているなら、その人の意識は過去に縛りつけられることになります。
過去にしがみついて、その結果、いま得られるかもしれない幸福感に気づかないかもしれません。


引用文献:前掲書, p.179

確かに過去の幸せが呪縛になっていることは、多くの方に通じるものかもしれません。でも、過去の幸せを、別に否定する必要はないと思うのです。それはそれ、良い思い出として取っておけば良いのです。
必要なのは自分の事情、周囲の状況、環境、いろいろなことが変わりゆくにもかかわらず、変わらない過去を基準に幸せを考えてしまうと、無理が生じてくる、という事実に気付くこと。

そして、忘れてはならないのは、新たに幸せを多く感じることにより、脳内ホルモンの分泌度合も変わることです!分泌されたホルモンによって、全身の末端細胞が影響を受けるのですから、その結果(効果)の一つとして、きっとあなたの免疫系も活性化され、自己治癒能力の向上も期待できるはず。

代替医療、それが身体にどう良い変化を及ぼすかは未知数の部分が多いけれども、代替医療を受けていた人の傾向として幸せを多く感じる思い癖がある、ということは注目すべきところだと思います。
代替医療はまだ主流の治療と認められていないからこそ、患者本人が自分で選んだ治療。「学会でそういう治療プロトコールになっているから」といった、いかにも安全王道策ではなく、「自分が主体」になって良いと判断した道を歩んでみようとする態度、そこにきっと、代替医療によって劇的に回復改善した人の理由や共通項があるのだろうと思います。

過去にとらわれず、真新しい自分の価値観、目標を作ることは
治癒力増進と新たな幸せを、もっと手にすることになります!
2016/3/22  長原恵子
 
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「過去にとらわれない新たな幸せと回復の関係」※本ページ
「幸せに意識を集中させて、呼び寄せる治癒力」