先日、杉並区の大宮八幡宮に初詣に行った時、境内に大賀蓮の鉢がありました。御鎮座940年の奉祝記念の際、大賀博士の甥の方から奉納されたものだそうです。
残念ながらお花を見ることはできなかったのですけれど、2009年夏、東京都 府中市郷土の森博物館でテーマ展No.51 蓮の画帳を見学に行って、千葉の公園にも朝の美しい大賀蓮を見に行ったことを思い出しました。
大賀蓮とは昭和26年(1951)、千葉県の検見川の泥炭層から発掘された2000年前の蓮の実から、大賀一郎博士が発芽、開花に成功されたもの。
2000年!2000年前です。
この蓮の実、元々はどんなお花に宿っていたのでしょう。
きっと2000年前も蓮の美しさは変わりがなかったはず。
多くの人が愛でていたことでしょう。
さて昭和26年当時、大昔の蓮の実から発芽するということを、多くの人が夢物語のように考えていたかもしれません。
でもそれを信じて、発芽、開花するように努力し続けた大賀博士の姿勢は実に素晴らしいし、蓮の実自体も2000年の時を経て、なお、花を咲かせるという力強い生命力を秘めていたということは、とても賞讃に値する話。
ありえないような話であっても、誰も信じてくれなくても、ひたすら何か努力していれば、いつかは何らかの形で実を結ぶときが来る…そんなことを思いました。
病気を抱えているお子さんが思春期を迎えるようになると、いろいろと将来のことを考えるようになり、自分自身の希望を諦めたり、将来の可能性を想像できなくなっているかもしれません。
でも、そんな時はお子さんがご自身の気持ちの出発点を、変えてみるのも良いかもしれません。だって自分の意思で変えようと思って、変えることのできるものは、自分が一番手っ取り早いのですから。
じっと眠っていた蓮の実も、大賀博士に生育環境が整えられることによって、長い長い眠りから覚めて、発芽したもの。
ですから、お子さんが「変わりたい」「変わろう」という意思があるならば、ご両親の手助けは、お子さんの変化の加速度を増すことになるかもしれませんね。
もちろん、お子さんを何もかも手助けするのではなくて、お子さんの変わろうとする力が伸びていくための、ほんの少しの手助けですが…。 |