彼自身もかなり耳が遠くなっていたおかげで、感覚の世界に対する私の認識のゆがみもわかっていました。
もし私が、眼が見え耳が聞こえる人になったつもりで、彼らの事物の受けとめ方を推測しようと努めさえすれば、彼らの感覚と私の感覚はもっともっと近いものになるし、そうすれば外界に対する私の楽しみもすばらしく増大するはずだ、と彼は教えてくれました。
また、人々の生活を知るための鍵の見つけ方や、私自身の生活を理解をもって研究してもらうための機会の作り方も示してくれました。
引用文献:
へレン・ケラー著, 鳥田恵訳(1992)『へレン・ケラ一 光の中へ』めるくまーる, p.50 |