特に子どもの頃は「他の子と同じようにあること」に安心感を覚えることが多いと思います。
ですから病気のために「他の子はできるのに、自分はできない」といった何か身体的な特徴を抱えてしまうと、それがとても気になってしまい、「自分はなんと不幸せなんだろう」と思ってしまうかもしれません。同じように横並びになれないことをくやしく思ったり、深く悩んでしまうこともあるでしょう。
でも、「とても自分の不幸なんか考えている暇がない」と言えるほど、楽しく自分が没頭できることがあるとは、なんとすばらしいことでしょう。
その少女は素敵な大人になりました。へレンが会った時、その少女はご結婚され、ご主人と七歳のお子さんとあたたかい家庭を作られたのだそうです。きっと彼女は少女の頃から、ずっと大人になってからも、毎日を不平不満で過ごすのではなく、一生懸命に生きていたのでしょう。
彼女はヘレンに会った時「これ以上欲しいものなんかありはしません」とおっしゃったそうです。
日々の暮らしを大切に、毎日を大事にして、「足る」を知ればこそ、言うことのできる言葉なのだと思います。 |