病気のこどもにとって、治療はどうしても受け身になってしまいがちです。医師が提案した治療方針、親が決断し、承諾し始まる治療。それは医師の立場からその医師が知りうる現代医学の中で最善と思われる方針を提案するのであり、親の立場でもこどもに良かれと思って決断するものです。しかしながら「自分がどうしたいか」といったこどもの立場からの意思が必ずしも反映されるものではありません。赤ちゃんならまだしも、ある程度自分で考えて決めることのできるようになった年齢のお子さんにとって、不本意と思える治療もあるでしょう。自分の気持ちとはかけ離れたところで物事がどんどん決まり、進んで行くことに対して、時には何か釈然としない思いを抱えたままになってしまうお子さんもいます。でも、もし自分の意思による行動が自分自身を良い方向へと変える力になっていくと実感できたとしたら、お子さんはどんなにか嬉しいことでしょうか。
アメリカのパトリシア・ノーリス先生は患者さん本人が持つ自分の思考イメージによって、本人の身体の仕組みを変えて行こうとする「バイオフィードバック」に取り組む先生ですが、バイオフィードバックによって病気に立ち向かったホジキン病のある少女は次のように語ったのだそうです。 |