病気と一緒に 生きていくこと
家族の気持ちが 行き詰まった時
アート・歴史から考えるこどもの生
耐え忍ぶのは、ただのはじまりではありません。悲しみを受けいれなければならないし、悲しみを十分に受けいれると、そこから自然に新しい道が開けることを知ってほしいのです。というのは悲しみには錬金術に似たところがあるからなのです。つまり、悲しみが知恵に変えられることさえあるのです。悲しみが喜びをもたらすことはありませんが、その知恵は幸福をもたらすことができるのです。
引用文献: パール・バック著, 伊藤隆二訳(1993) 『母よ嘆くなかれ[新訳版]』法政大学出版局, pp.6-7
悲しみを十分に受けいれると、知恵に変わり、それが幸福をもたらす…そんなにすごいことが、起こるのだろうかと疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。 バック氏は、はじめから悟りを得たような穏やかな胸中だったわけではありません。ご自分で振り返り、最初の段階は支離滅裂だったと回想されています。ではいったい、何をきっかけに変化していったのでしょう… パール バック氏のお話は、大変心打つものがあります。 これから数回に分けて、みなさんにご紹介したいと思います。