お産はひどい難産だった。初めのうち私の顔は鉗子のせいでひどく歪んでいた。(略)生まれて数ヵ月間、私の写真がないことも、これでなっとくできる。
祖母がやってきて、私の顔に油を塗り、傷が治るまでなでてくれた。そして母の苦しみを和らげ、無条件の愛を私に注ぎ続けてくれたのである。だから私には「無条件に愛された」という実感が、同じ恵まれた環境で生を受けた赤ん坊よりもずっと強かった。
どの道を選んでも、両親は私を支持し愛してくれることがわかる。支持されて成長したという実感のおかげで私は好きな仕事につき、「与えて、治す」という自分の願望を全うできる信念を持てたことは明らかだ。
こうした初期の体験で、私は生き残る者になれる条件を身につけた。人生には次々に障害が出てくるが、私はいつも克服できると感じた。
他人に認められなくとも、家族はわかってくれる、まさに家族のおかげで私は自尊心を保ち続けられたのである。
引用文献:
バーニー・シーゲル著, 石井 清子訳(1988)『奇跡的治癒とはなに か― 外科医が学んだ生還者たちの難病克服の秘訣』日本教文社, pp.104-105
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