病児・家族支援研究室 Lana-Peace(ラナ・ピース)
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どれほど自分が努力をしても、自分の力だけではどうにもならないことがあります。また自分以外の誰かがどれほど努力をしても、変えられない事実があることも確かです。
お子さんが病気になった時、「どうして我が子がそんな重い病気にならなくてはいけないのか」「あれほど健康に留意していたのに」と思い悩むことも多いことでしょう。
ヘレン・ケラー女史の自叙伝の中に、苦境をどう考えて生きていったのかヒントとなる言葉を見つけました。

ニュートンのような人が落ちるリンゴを見て自然界には万有引力というものがあると気づくときには、彼は日常の光景をはるかに超えたものを見ているのです。私たちの霊についても同じことが言えます。私たちは、日々の出会いにひそんでいる新しい生命
の可能性をより充分に見きわめてゆくにつれて向上してゆきますが、この肝心な事実を忘れたり無視したりすると、感覚が私たちを迷路へ導いてしまいます。だからこそ、生活の場にさし出されている内なる生命の偉大さを私たちに知らしめるためにも、また天から絶好の機会が与えられているということを示すためにも、私たちには障害が必要なのです。

スウェーデンボルグは、このような考え方を示すことによって、いつまでも私たちに奉仕してくれています。彼は、どんな出来事やどんな障害の中にも選択の機会があり、選択は創造であるということを私たちに説いているのです。私たちは、試練を自己破滅へと方向づけることもできれば、逆に試練を善のための新しい力へと転換することもできます。

一般的な意見や因習に身をまかせて漂うこともできれば、内なる霊魂の導きに身をゆだね、真理へ向かって勇敢に漕ぎ出すこともできます。(略)試練は、私たちの生命を拡大し、この限られた地上では達成不可能なあの高い天命にそなえて私たちに強さを身につけるよう促す、神の激励なのです。自分を超えたものに向かって努力してこそ、意識の拡大と歓びが獲得されるのです。

引用文献:
へレン・ケラー著, 鳥田恵訳(1992)『へレン・ケラ一 光の中へ』めるくまーる, pp.195-197

「どんな出来事やどんな障害の中にも選択の機会があり、選択は創造である」と考えることは、煮詰まった自分の気持ちに風穴を開けてくれるように思います。
とても良い言葉だなあと思いました。
あなたのお子さんの病気について考えずにはいられない「どうして? なぜ?」その問いが、あなたの心に1つも明るい兆しをもたらさないのであれば、そうした問いはお休みする必要があると思います。
あなたが苦しんでいる間、あなたの表情からは笑顔が消え、お子さんはそうしたあなたをずっと見続けることになるのですから。

「試練は私たちに強さを身につけるよう促す、神の激励」それはヘレンが特別に人間的に優れていたからそんなことが言えるのだ、と思うかもしれません。神への信心を持たなければ、神の激励という言葉も「そんな風に考えられない」と思うでしょう。

でも、信仰があるかどうかは別にして、同じ苦難な出来事があっても、自分の考え方を変えるだけで「意識の拡大と歓びが獲得される」というポジティブな表現ができるようになるって、すごいことだと思いませんか。
落ち込んで過ごす人もいれば、歓びを感じて過ごす人もいる…
それは同じ一日だというのに。

 
大変なことがあったら、ちょっと自分の気持ちから離れて。あなたがより多くの幸せを感じることは、お子さんにとっても大切だから…。
2014/2/13  長原恵子