お子さんの入院や自宅療養が長引くと、変わらない環境の中でストレスがたまり、お子さんの行動や言葉に変化が出てくることがあります。ご両親にとっては何とかしてあげたいという気持ちから、おもちゃやゲームを買うことも多いかと思います。
以前小児外科病棟に勤めていた時、入院患者さんの持ち込みの私物の数は限られていたのですけれど、面会時間が終わり、寝る支度が始まり、午後9時の消灯時間に近づく頃、なぜか子どもたちはおもちゃやゲームではなく、本を読む子が多かったように思います。
自分で読む子もいますが「読んで〜」と甘えてくる子も。
お薬や点滴、排泄の介助など、どうしても優先しなければならない仕事を終えたあとで、時間が許す限り本を読んであげました。でも、少人数で仕事をするには、早く読み終わらなくちゃいけなくて、時々文面どおりの内容ではなくて、ちょっと話を創作してページをめくったこともしばしば。「それ違うよ!」と子どもにつっこみをされたのも、懐かしい思い出。
いつもは強気な表情を見せているお子さんが、無防備な表情を見せて横になって聞いている時、「あぁ昼間は子どもながらに頑張っていたんだ…」と気付かされること、多くありました。
寝る前、おもちゃやゲームで「一緒に遊ぼう」という子がいなかったのはなぜかしら?
私見になりますけど、おもちゃやゲームはなんとなく時間を消費するための時間には持って来いではありますが、心安らかな、落ち着いた状態にはしてくれないのかもしれません。
さてアメリカの医師 アンドルー・ワイル先生のご本の中に、次のような文章がありました。 |