病気と一緒に 生きていくこと
家族の気持ちが 行き詰まった時
アート・歴史から考えるこどもの生
お子さんの病気がなかなか回復の兆しを見せない時、ご両親は「今日」の病状も心配だし、「明日」の病状も心配だし、もっと先の病状も心配で、ずっと心の中で梅雨が長引いているように、鬱々としているかもしれません。そのようなご両親にお届けしたい言葉があります。
心配ごとはすべて未来にあるのだから、 あなたがなすべきは 現在に立ち戻ること。 あなたが未来にいることに気づいたら、 心配ごとのスイッチを切って 「今」に生きなさい。
引用文献: ロバート・ブラックウルフ・ジョーンズ, ジーナ・ジョーンズ著, 加藤諦三訳(2008)『アメリカインディアン聖なる言葉』大和書房, p.187
この言葉を読んで、エッセイ「身体が自分をつなぎとめる」で取り上げたアンドルー・ワイル先生の考え方を思い出しました。 思い煩うことは「いま、ここ」から、まだ現実にはなっていない未来へ自分を連れ出し、未来をさまようことになってしまう、という考え方です。 心配している最中も時間はどんどん過ぎるのですから、「今」という時間が、不確かな未来の心配のために費やされてしまうのも、残念ですね。 心配するほど「未来」の時間は大事だけれども、「今」の時間もそれと同じくらい大事なはずだから…。 エッセイ「明日のことは思い悩むな」で取り上げたマタイ6章27節, 34節に通じるところがあると思います。