『詩の生命力』において、ミュリエル・リューカイザーは、こう書いている。
「歴史のイメージは、想像力を通してわれわれの中に届く」と。そしてこう続ける。
「イエスの生涯、ブッダの生涯、リンカーン、ガンジー、アシジの聖フランシスコらの生涯−これらの生涯がわれわれに強度を感じさせるのは、その強さが目的に集約された生涯、あるいは一日一日が永遠の意味合いを賭けて生きられたように思われる生涯から感じとれるものだからだ。(中略)これらの生涯は、その探求と目的において、それぞれのフォーム、それぞれの真実を提供している。これらの生涯は、希望としてわれわれの許へ届いてくるのである」 と。
その希望とは、苦しみが去ることではない。リンカーンから苦しみが去ったことはなかった。この希望とは、苦しみが明白に認識され、耐え抜かれた場合、われわれを待ち受ける驚嘆すべき難題にわれわれをフィットさせくれる――そういう希望なのだ。
引用文献:
ジョシュア・ウルフ・シェンク著,越智道雄訳(2013)
『リンカーン うつ病を糧に偉大さを鍛え上げた大統領』明石書店, pp.333-334 |