一方、ネガティブな言葉は遺伝子発現にどのような影響をもたらすのだろうか。極度にネガティブな言葉は、脳内で最も重要な言語中枢のひとつであるウエルニッケ野の機能を制御する遺伝子の正常発現を阻害することが、数多くの研究結果から明らかになっている。
攻撃的な言葉は、人聞を肉体的ストレスから守る神経化学物質の生成に関わる特異遺伝子を破壊するようであり、幼少期に攻撃的な言葉に曝されると、不安、憂欝、恐怖をうまく回避する能力が鈍ってしまう。また、脳にダメージを与えるネガティブな反すう[ネガティブなことを長い間繰り返し考えること]の原因ともなることが明らかになっている。
引用文献:
アンドリュー・ニューバーグ, マーク・ロバート・ウォルドマン著, 川田志津訳(2014)『心をつなげる』東洋出版, p.43 |