担任の先生が思い切った口調で
こう言った。
「第2のあーちゃんを育てていくことにしました」
(略)
あーちゃんの姿を見て、
何か起きたときに誰かをいさめるのではなく、
まわりをほめればいいんだと気づいたとのこと。
まぼが順番を待てなくて騒いだら、
それをたしなめるのではなく、譲ってくれた子をめちゃくちゃ
ほめる。
代替案を出してくれる子がいたら、その発想に感心してほめる。
それを見てまぼが「やっぱり先にいいよ」と気づけたら、なおラッキー。
「まわりをほめていいムードに巻き込んじゃうあーちゃんのやり方は、ぎこちなさも無理な感じも全くないので……」
と感心する先生。
そりゃ、そうだ。
お腹の中からずっと一緒で、まぼの取り扱いはプロ級だもの。
「だから、こういう感覚を育てていけばいいんだと思ったんです。まぼくんを変えるんじゃなくて、クラスのみんなを育てていくことにします。」
引用文献:
じゅん(2012)『発達障害のある子のこころを育てる―3つ子の子育てハッピー絵日記』学研教育出版, pp.34-35 |