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アート・歴史から考えるこどもの生 |
埴輪 子を背負う女子
(東京国立博物館 所蔵) |
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所蔵先: |
東京国立博物館(東京) |
出展先・年: |
東京国立博物館(東京), 常設展示, 2017 |
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栃木県の鶏塚古墳の横穴式石室から出土したこちらの埴輪、顔に赤い彩色を施した女性の埴輪です。正面から見るとわかりませんが、実は背中に赤ちゃんをおんぶしています。展示場の解説板によると、頭にのっているのは帽子ではなくて、壺だそうです。むかしむかし、6世紀の時代に遡り、当時、女性が家事をしながらこどもをあやしている風景を切り取って埴輪にしたのでしょうか。この石室に埋葬された人のご家族の姿を模したものでしょうか…?
右腕は欠けていてわからないものの、形が残っている左手からは、この女性が赤ちゃんのお尻をしっかりささえようとしている様子が伝わってきます。心なしか赤ちゃんのお顔もなんだか穏やか。
女性は少し口を開けています。赤ちゃんにあやしかけて、何か話したり歌を歌ったり…そんな和やかな風景が伝わってきます。
6世紀、1500年も前の時代、赤ちゃんが大事に守られて、そして力強く生きていたんだなあ。しみじみそう思える埴輪です。 |
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2018/3/4 長原恵子 |
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