雨の日とリンカーン |
梅雨の時期にはどうしても、身体がだるくなりがちで、気分も何だか下がり調子のこと、結構ありますね。
安保徹先生の『最強の免疫学 病気は自分で治せる』には雨が降る時、すなわち低気圧の時に身体がどのような変化が起こっているのか、次のように示されています。 |
低気圧で酸素が少ないので、体内に入る酸素の量も減ります。
すると自律神経の休息をつかさどる副交感神経が優位になり
リラックス、さらにリラックスが進むとけだるくなるわけで、
やる気が出なくなり、副交感神経がコントロールするリンパ球も増えるのです。
引用文献:
安保徹(2009)『最強の免疫学 病気は自分で治せる』永岡書店, p.52 |
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けだるさの半面、リンパ球が増えていることに注目すれば、梅雨も決して悪い側面ばかりではないですね。お天気は自分ではどうしようもないことですから、自分の気持ちをうまくコントロールしていくこと、大切になってきます。
さて、アメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーン氏は、3歳と11歳の息子さんを病気で亡くされたことから、Lana-Peaceではエッセイ
魂と死後の生「確かな真実」「息子とのつながりを求めて」、お子さんを亡くした古今東西の人々「声を詰まらせた父」、悲しみで心の中がふさがった時「救命筏となるもの」 で取り上げましたが、リンカーンはうつ病を患っていたと伝わっています。それにどうやってリンカーンは向き合ったのか、友人に話した言葉の中から垣間見てみましょう。 |
すさまじいうつ病の冬を通り抜けた後、リンカーンが会得したのは、普段の仕事を始める、いや単にそれの下準備でもOK、とにかくあっさり業務に携わる単純明瞭な何かに手をつけることだった。
この会得事項を彼は、ジョシュア・スピードに「もし気が変になったら」やるべきこととして、闊達に忠告している。
人生の小さな戦いの中では、歯を磨くとか、散歩に出るとか、これらの些事が勝利への準備運動となるのである。
引用文献:
ジョシュア・ウルフ・シェンク著,越智道雄訳(2013)『リンカーン うつ病を糧に偉大さを鍛え上げた大統領』明石書店, p.332 |
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いろいろな悲しみを経たリンカーンが、それでも生きていくために、自ら会得したこと、それはお金や特別な道具や環境など必要ないものでした。
歯を磨く、散歩に出る…これなら、できそうですよね。
もしも気分が滅入って、何もする気がなくなった時は、とりあえず、身近なこと、小さなことから取り組んでみませんか?
リンカーンもそうだったように。 |
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たとえ小さなことであっても、それがいくつも重なれば
大きなことへとつながっていきます。気負わず、焦らず!
2014/6/12 長原恵子 |