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病気と一緒に生きていくこと
細胞へ届ける感謝の気持ち

左脳出血に倒れた神経解剖学者のジル・ボルト・テイラー先生(詳細はこちらをご参照ください)が、驚異的な回復を遂げることのできた理由の一つに、心と身体のつながりを良い方向に働かせていったことが挙げられると思います。そのためのアプローチはいろいろあると思いますが、テイラー先生の特徴は自分の身体の細胞に感謝し、それを言葉にしていったこと。
感謝と励ましの言葉を受け取った細胞が「ようし、頑張るぞ!」と思って、今以上の働きをするようになった…という感じでしょうか。
その様子を、見てみましょう。

細胞たちが元気で完全に調和しながら働いていることに、感謝しています。そうすることで、細胞たちが健康をもたらしてくれるのだと信じているから。

一日の始まりと終わりに、わたしはきまって枕を抱きしめ手を合わせて、次の新しい日を迎えられることを、自分の細胞に心から感謝します。
これはとても大切なことだから、
「みんな、ありがとう。新しい明日を迎えられることに感謝しています」 と、声に出して、深く感謝の気持ちを感じながら語りかけるのです。

次に、細胞にお願いをします。
(どうか、わたしを治してね!)

そして、免疫細胞が反応する様子を心に思い描くのです。
わたしは自分の細胞を、率直な気持ちと感謝の心をこめて無条件に愛しています。一日を通じて彼らの存在を自然に察知して、情熱的に応援しています。
人間はエネルギーを世界へ放出できる素晴らしい生き物ですが、それというのも、細胞がいるおかげです。


引用文献:
ジル・ボルト・テイラー著, 竹内 薫訳(2009)
『奇跡の脳』新潮社, p.191

脳出血によって、脳細胞はダメージを受け、突然あれもこれもできないことが一気に増えたテイラー先生。だからこそ段々できることが増えたことにより、すなわち失われてしまった細胞の機能が少しずつ新生した(或いは何かが新しく代わりに役割を果たしている)と実感できたのだと思います。
どんなに嬉しかったことでしょう!
自分の気付かないところで細胞は粛々と回復を遂げ、それが自分にもわかるような形になって表れてくることに、感謝せずにはいられなかったのだと思います。

テイラー先生の
「人間はエネルギーを世界へ放出できる素晴らしい生き物」という言葉。
なんて素敵な言葉でしょうか!

またテイラー先生は、回復していく喜びを次のように表現されています。

感謝する態度は、肉体面と感情面の治療に大きな効果をもたらします。ひとつの回復の過程が自然に、よどみなく次の過程に進むたびに、顕著な回復を実感し、心から喜びました。
できることが増えるにしたがって、世界を感じ取る力も強くなることを発見しました。


引用文献:前掲書, p.143

世界を感じとる力って大事です。
なんとなく生かされているのではなくて、自分が生きているって実感できるから。「治る」ということは単に検査数値が正常範囲に収まるようになった、とかできなかった動作ができるようになった、ということを指すのではなく、自分と、自分の住む世界とのつながりを妨げるものがなくなっていく、ということなのかもしれません。
それは能動的に生きていく上で、とても大切なことだと思います。

何かに焦点をさだめて集中する人間の心は、宇宙で最も強力な道具だとわたしは思います。
そして言語を使うことによって、左の脳はからだの治療と回復を早める(あるいは遅らせる)ことができます。言葉を話す左の自我(エゴ)の心は、50兆の細胞の天才たちのチアリーダーの主将として機能します。
そして、自分の細胞に「さあ、がんばって行こうね!」とくりかえし励ますとき、体内には治療環境を改善するなんらかの振動が引き起こされるように思えてならないのです。
細胞が健康で幸せなら、わたし自身も健康で幸せになれるはず。


引用文献:前掲書, p.192

自分が自分の回復の指揮をとっていく、それは医学の専門教育を受けているか否かに関わらず、人間に等しく宿っている能力なのだと思います。
それも細胞に直接働きかける、とても素晴らしい能力。

「言葉にしなきゃ、わからないよ!」
それは何も恋愛ストーリーの中に出てくる会話ではなく、身体の細胞が発している言葉かもしれませんね。
細胞へ向ける言葉は、感謝や期待がたくさん詰まった言葉。
そこに良いエネルギーがないはずがない。そう思います。

自分の発した言葉を一番最初に一番近くで聴くのは、自分の耳。
その耳に良い波動に充ちた音声を届けることは理にかなっているように思います。日本に「言霊(ことだま)」という言葉があるように。

 
お子さんの治る力を最大限引き出すために、思いを言葉に変えてみましょう。今まさに生きて活動している細胞への感謝を込めて。
2014/8/14  長原恵子
 
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