このお話を伺いながら、お子さんを亡くしたご両親の後悔のことを考えておりました。どれほど一生懸命看病しても、もうこれ以上できないほど心を尽くしてお世話をしても、お子さんが亡くなった後に「もっと早く病院に連れて行けば良かった…」とか「OOしておけば良かったのに…」そんな思いがいくつも、いくつも浮かんでくるものです。
そして「できた」ことよりも「できなかった」ことにばかり考えが及んでしまいます。
でもあなたのお子さんは、そのような後悔の涙にくれるご両親の姿を望んでいるわけではありません。いろいろな制約があったにもかかわらず、それでも一生懸命自分のことを看病してくれたご両親に感謝の気持ちを向けているはずなのです。
自責の念や後悔があなたの心を押し潰してしまいそうな時は、あなたの心が「お子さんとの思い出や出来事を一層苦しいものへと認識している」状態を変えていくことが必要です。
お子さんとの思い出や出来事を変えるのではありません。
「苦しみを生み出すばかり」であった思い出や出来事を、もっと違う見方や立場からもう一度捉え直していくことが必要だ、と私は思います。
ご本人はそれになかなか気づくことができませんが、それをすることによって、お子さんを思い出す時に、満ち溢れていた苦悩から抜け出すことができるのです。 |