わたしは緊急救命室で働いていた経験から、亡くなるとき人は一人ではないという確信を持っています。死が近づくと、天使が部屋に人ってきます。人が亡くなるとき、たくさんの天使がくるときもあれば、一人だけのときもあります(たくさんの天使が来たからといって一人の天使よりも待遇がよいわけではありません。あなたが感じる平和や慰めの量は、天使の数とは関係ないのです)。天使からは光が出ていますが、とてもやわらかいときもあれば、強烈に明るいときもあります。天使が放つ光の量は、亡くなる方の必要性にあわせて変化するようです。
死を受け入れ心に平安のある人は病院にいても家にいても、平和に満ち、神を迎え入れる準備ができています。そのようなときには、一人の天使が舞い降りてきて、部屋の隅で時がくるのを待っています。悲惨な亡くなり方をする人や、突然死を迎える人は、まわりに天使がたくさんいます。
なんとしても死にたくないと、もがき苦しみ続けた人をみとったことがありますがこのような人には最も明るい光が注がれます。これらの光は、彼らが神へと回帰する道を見つけられるように照らされるのでしょう。手短に言えば、死を恐れている人にはたくさんの天使とその光が必要だ、ということです。
死後の世界を信じている人は、それほど強い光を必要としないようです。
引用文献:
クリステル ナニ著, 菅靖彦監訳 花丘ちぐさ訳(2009)『きっと天使が助けてくれる』草思社, p.207
※太字は原文も太字です。