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魂・霊と死後の生〜様々な思想〜 |
不滅の魂と新たな生へのつながり |
ヘレン・ケラー女史はスウェーデンボルグの表した「天界」※1という思想を強く支持していました。物理的に実証できるような世界ではない「天界」でありますが、その世界の存在を信じることによって、ヘレンはこの世で生きる道先を、明るく照らされる思いでした。
ヘレンの自叙伝を見てみましょう。
※1:天界についてはLana-Peaceのエッセイ「続く命と再会の希望」や「晴れやかな心を導く世界観」でも書いています。 |
私は不滅の憧れを胸の中に感ずるがゆえに霊魂の不滅を信じているのです。それから死後の生活は私たちの動機、思想、行為によって形造られることを信じます。未来の生活においては、私はこの世でもっていなかった感覚をもち、あそこにおける私の家は、花の色、音楽、言葉および私の愛する人の顔で美しいだろうということを信じます。
この信仰がなかったら、私の生活は無意味なものとなるでありましょう。そして私は「闇の中の黒い柱にすぎざる者」となるでありましょう。肉体の感覚を満喫している人々は私を哀れみますが、それは私の生活の中に私が喜んで住んでいる黄金の部屋があるということを知らないからであります。
なぜならば、私の行く手は彼らには暗黒のように見えますが、実はその反対に心の中に魔法の光を宿しているからであります。精神の強力なる探照燈である信仰が前途を照らしてくれるので、不気味な懐疑が閣の中にひそんでいても、私は恐るることなく「ふしぎな森」をさして歩いて行きます。そしてそこでは木の葉はたえず緑で、歓喜が住み、ウグイスが巣を営んで歌い、生と死とは主の御前にあって一つであるからであります。
引用文献:
ヘレン ケラー著, 岩橋武夫訳(1966)『わたしの生涯』角川書店, p.495 |
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ヘレンは決して死を美化したわけではないと思います。
死に暗いイメージを落として考えるのではなく、この世の生のつながりの先として考えていたのでしょう。
「奇跡の人」と形容されるヘレンですが、死後の世界が、この世での自分の生活次第で変わってくると信じたからこそ、いくつもの不自由さを伴いながらも、超人的な努力を成し遂げ、続けられたのでしょう。
なぜなら、ヘレンにとっての死後の世界とは、自由で美しい世界(天界)であり、そこではこの世で得ることのできなかった能力(純粋に目や耳から入ってくるものを理解する力, 視覚・聴力)を携え、美を今以上に堪能して生きることができるのですから。 |
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あなたのお子さんも、この世の人生をめいっぱい頑張って生きてきたはず。今は仲良しの友達を作って、きっと楽しく遊んでいるはず…。 |
2014/1/29 長原恵子 |
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