病児・家族支援研究室 Lana-Peace(ラナ・ピース)
Lana-Peace 「大切なお子さんを亡くされたご家族のページ」
大切なお子さんに先立たれたご家族のために…
 
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お子さんを亡くされて、茫然自失の日々を送っているご両親の心の中には、この世でもう会えないという寂しさが大きく占めていると思います。

今日ご紹介したいのはアメリカの医師 ブライアン・L・ワイス先生の考えです。ワイス先生は魂が輪廻するという観点から、催眠療法によって潜在意識の奥へとアプローチを行い、過去世退行させることによって、その方の身体の不調や心の問題の根源になっているものを突き止め、治療に当たられている方です。
人はこの世に生まれ出る前に、既に何度も生死を繰り返してきた、という魂の輪廻の考え方に基づき、過去世とは今よりも前に生きていた頃の時代の人生を指します。そういった考え方を支持する方、支持しない方、どちらもいらっしゃることでしょう。

ワイス先生は、そうした魂の輪廻について、元来信奉されてきた方だったわけではありません。ある意味、非科学的と分類されてしまうような領域に、アメリカの医学教育を受けられたワイス先生が進まれたのは、精神科医としてある患者さんに本人の過去退行(それはこの世でのという意味ですが)を行ったことがきっかけでした。その患者さんの退行は幼い頃へと戻ったのではなく、この世の人生を超えて、過去世にまで遡ったのです。その内容は、ワイス先生が空想、幻想、妄想そういった分類で片付けてしまうことのできない、否定し難い事実(証拠)を伴っていました。
そこからワイス先生は魂の輪廻という事柄を確信して、治療に応用されてきたのです。ワイス先生は魂と肉体の関係を次のように記されています。

魂全体は、肉体と意識に閉じ込められてはいません。ここにいる自分自身は、全体のほんのひとかけらにすぎないのです。(略)魂の可能性と融通性は制限がなく、無限なのです。(略)ヨガナンダという神秘主義者は、人生は海中に深く沈んで漂っている金の鎖のようなものだと、言っています。(略)今私たちが死や生や魂について知っていることは、おそらくこの金の鎖のほんの一つの輪にすぎないのでしょう。


引用文献:
ブライアン・L・ワイス著, 山川紘矢・亜希子訳(1997)
『前世療法 2』PHP研究所, p.211

人が亡くなると意識は無くなり、肉体も滅びていくわけですが、魂が肉体と意識に閉じ込められていないのであれば、魂はどうなってしまうのでしょうか。

過去世退行を体験すると、死とは、自分自身が忘却の淵や暗黒の聞の中へ消滅することではないということが、わかります。
死とはただ、魂にとって肉体がもう必要ではなくなったということだと、多くの患者が私に教えてくれました。魂が体を抜け出して、非物質的な霊的な世界にゆく時が来たのです。意識は不滅であり、人格もまた不滅なのです。


引用文献:前掲書, p210

「魂にとって肉体がもう必要ではなくなった」ということは、魂が今世において、その身体を通して十分その役割を果たすことができたから、必要ではなくなったのだと換言できるのではないでしょうか。
先立ったあなたのお子さんは、その人生がたとえ短くとも、自分の人生を十分、しっかりと生きることができたのだと思います。
あなたのお子さんが果たしたその役割は、人生の短さに比することのできない、何かとても大きなものであったはずなのです。

 

お子さんが果たし終えた役割をご両親が探していくことは、きっと遺されたご両親に大きな力を与えてくれるような気がいたします。 

2014/3/2  長原恵子