病児・家族支援研究室 Lana-Peace(ラナ・ピース)
Lana-Peace 「大切なお子さんを亡くされたご家族のページ」
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生まれ出ることのなかった命とのつながり
 

命を得てこの世に生まれ出たこどもも、流産、中絶によってこの世での命は得られなかったこどもも、かわいいわが子であることには変わりありません。
お母様を慰めるために「またこどもを授かるチャンスはあるのだから…」と声をかける方が、いらっしゃいますが、亡くなったお子さんは、かけがえのないお子さんです。その悲しみは、誰かが身代わりになって、悲しみが消えるといった、たやすいものではありません。

沖縄のユタ出身のスピリチュアルアーティスト はる氏はこの世に生まれる前に命を終えた小さなこどもたちの命を、次のように記しています。

 

魂が宿った後、お腹の中で命を落としたり中絶されてしまった霊は、すぐに霊界に戻りますが、自分の村に戻るのではなく、ある程度成長するまで霊界の保育所に預けられます。
ここには10歳以下で亡くなった子どもの霊たちも一緒に集められ、やさしい保母さんたちに養育されています。

引用文献:
はる(2012)『霊界散歩』中央公論新社, p.225

 

こどもたちの霊があちらの世界で養育されているのだと思うと、何かほっとした気持ちになってきますね。

 

水子の霊はとても純粋な魂。お母さんの気持ちを痛いほどわかっており、崇ることはありません。
あなたがこの世を去って霊界に戻れば、彼らは成長した姿であなたを訪ねてくるはず。再会のときを楽しみに待ちましょう。

引用文献:前掲書, 226

 

この世で会えなくても、またこれから会える時が来る…そうわかると、お子さんにいろんなお土産話を聞かせてあげることができるように、自分の人生、こどもの分まで一生懸命生きようという気持ちになってきますね。

さて、流産したお子さんがそのご両親が亡くなる時に、迎えに来てくれるという話がありました。それも30年以上経ってからです。レイモンド・ムーディ先生の本に登場するとても心あたたまる話なので、ここでご紹介しようと思います。
肺がんのために55歳の夫を亡くされた女性は、亡くなった瞬間、夫を抱きしめていました。その時、彼女は感電よりももっとマイルドな感覚、でも電気にしびれたような感覚を得たのだそうです。彼女は夫が自分の身体の中をすり抜けたように思われました。その時、夫といた病室の中が光で満ちて、そこに夫の一生が映し出され、彼女は霊の姿となった夫と共にそれを見たのだそうです。それは臨死共有体験と言われるものでした。
その時、ご夫婦は流産したお子さんに会われたのです。
その女性は次のように語られました。

 

言葉で言うのは難しいです。
でも、すべてのことが夫の死の床のまさにその場で、瞬間映像のようになって次々に映し出されました。

人生回顧の中で、私がまだ10代のときに流産して失った私たちの子どもも現れました。彼女は私たちを抱きしめてくれました。
それは私たちが地上界で見るような人の姿ではなく、むしろ人に似た姿といいましょうか、かわいい幼児のような存在として、そこにいてくれたのです。

それは私たちがその子の流産を通して味わった苦悩のすべてが、もはや報われ、解決されたことを意味していました。
私は聖書の御言葉を思い起こしました。「人のすべての考えにまさる神の平安」(ピリピ人への手紙4章7節)。まさにそれこそが、彼女を通して私たちに与えられたものでした。

引用文献:
レイモンド・ムーディ/ ポール・ペリー著, 堀天作訳(2012)『臨死共有体験 永遠の別世界をかいま見る』ヒカルランド, p.32

 
30年以上も前に流産で先立った我が子。
お父さんが旅立つ時に、忘れず、迎えに来てくれた我が子。
そして臨終の場で、これから共に行くお父さんと、これからこの世で生きていくお母さんを共に抱きしめてくれた我が子。

この世での死を迎えた後も、命は別の形で続いているのだと知ることができて、その女性はどんなに心強かったことでしょう。
そして、流産したこどもが、長く自分たちに愛情を注いでくれていたことに気付けて、きっと安らぎが生まれただろうと思います。
 
  この世に生まれ出ることなく先立ったこどもの命は、闇に埋もれたわけではありません。あたたかい愛情と共に、あなたのことを見守っています。                            
 
2014/8/28  長原恵子