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アート・歴史から考える死生観とグリーフケア |
松に秋草図 (京都・智積院蔵) |
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作品名: |
松に秋草図 (部分) |
作者: |
長谷川等伯筆 |
員数: |
2曲1双 |
制作年: |
安土桃山時代・文禄元年(1592)頃 |
所蔵先: |
京都・智積院 |
出展先・年: |
日本国宝展(東京国立博物館), 2014年 |
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「松に秋草図」は豊臣秀吉が夭逝した息子鶴松のために建立した祥雲寺の障壁画であったそうです。高さは目測で1枚あたりざっと2mくらい、幅は1.6mくらいでしょうか。それが4枚、2曲1双として並んでいます。その大きさに圧倒されます。
金地に松、むくげ、ススキ、笹、菊などが配置されていますが、散在する白い花々は、離れて見ると金の世界の中に、純粋なこどもの真っ白な魂が
ふわふわと浮かんで遊んでいるかのようです。
ちょうど左から2番目に出てくる絵の下方には、赤い菊も混じっていました。たくさんの白い花の中の赤い菊。
それは何か特別な意味があるような気がいたします。
夭逝したこどもたちと共に遊んでいるけれども、鶴松の命はまた蘇ってほしい、だから赤い色にしたのかなあとか。
絵の前でいろいろと考えていました。
どうかこのように美しく光り輝く場所で
先立ったこどもが楽しく自由に過ごしていますように…。
そんな思いが重ねられているように感じました。 |
2014/11/3 長原恵子 |
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