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アート・歴史から考える死生観とグリーフケア |
聖樹(アフガニスタン出土・国立東京博物館蔵) |
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作品名: |
聖樹 |
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(撮影許可あり) |
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出土: |
アフガニスタン |
員数: |
1組 |
材質・技法: |
片岩 |
制作年: |
クシャーン朝・2-3世紀 |
所蔵先: |
東京国立博物館 東洋館 |
出展先・年: |
東京国立博物館 東洋館, 2014年 |
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アフガニスタンで1800年ほど前に作られた片岩の聖樹。
先日訪れた国立東京博物館にありました。そのたくさんの葉が茂る聖樹には、花が咲いているかのように仏教の法輪のような円形の装飾が施されていました。恐らく宗教的な意味合いを込められた樹木像だと思いますが、聖樹の上の方には、和やかな表情のお顔が…。
これを見ていたら2006年京都造形芸術大学の通信教育部に在籍していた頃、受講した鎌田東二先生の民俗学のスクーリングで取り上げられた平田篤胤氏の『勝五郎再生記聞』を思い出しました。
江戸時代後期、現在の八王子に住んでいた「前世を覚えている」という勝五郎少年のお話が登場するものです。勝五郎くんは、自分の前世は六才で亡くなった藤蔵くんという少年であり、生まれかわる時に、老人から勧められたおうちの庭の柿の木の下で3日間、様子をうかがっていたのだと
話したことが、聞き書きとして残されているのです。
聖樹の葉の中にあるにこにこした顔を見ていると、これから生まれかわろうとする魂が木の枝に座って、どこの家族のところにいこうかなあと
楽しく思案しているような、そんな風景が浮かんでくるようです。
夭逝したこどもは、新しい人生を自分で選んで、また生き始めているのかなあ。それが幸せに充ちたものだといいなと思います。 |
2014/12/1 長原恵子 |
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