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アート・歴史から考える死生観とグリーフケア |
ケルビムを伴う聖母子
(サンドロ・ボッティチェッリ, ウフィツ美術館蔵) |
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作品名: |
ケルビムを伴う聖母子
(Madonna in Glory with Seraphim) |
作者: |
Sandro Botticelli |
技法: |
Tempera on panel |
制作年: |
1469-70年 |
所蔵先: |
ウフィツィ美術館(イタリア) |
出展先・年: |
ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美, Bunkamura ザ・ミュージアム, 2015年 |
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「ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美」では、どの作品も素晴らしかったけど、思わず帰り際に、その場に戻って、しばらく閉館間際まで、一人で見入ってしまった作品がありました。
1470年頃、サンドロ・ボッティチェリによって描かれたと伝わるテンペラ画「ケルビムを伴う聖母子」(フィレンツェ、ウフィツィ美術館所蔵)です。
幼子キリストの目の表情が、先日お空に旅立った少年にとてもよく似ていて、片手の手のひらを上げて、深い意味がこめられたような視線は、まるで、Tくんが最後に部屋の帰り際に見せてくれた時の表情に酷似していました。
Tくんはきっと今は、安らかな場所で、あたたかい気持ちで過ごしている。聖母マリアのようなやさしい誰かにしっかりと抱かれて。
そんな気持ちになれました。
550年近く前に描かれた絵、その中に見出せる共通した表情、この先何年経って、私が年をとってもきっとその絵を見るときには、Tくんの思い出が
瞬時に蘇るんだろううなあ。
そうやって、あの時のTくんにまた心の中で会えるといいなあ。
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2015/6/7 長原恵子 |
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