病児・家族支援研究室 Lana-Peace(ラナ・ピース)
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丸山東遺跡 ガラス玉・管玉
(石神井公園ふるさと文化館蔵)
 
 
ガラス玉・管玉(※1)
丸山東遺跡
(撮影許可あり)
場所・時代:
弥生時代後期〜古墳時代初め, 東京都練馬区
平成2〜4年発掘調査, 都指定文化財
所蔵先:
石神井公園ふるさと文化館(東京)
出展先・年:
石神井公園ふるさと文化館(東京)常設展示, 2016
 

東京 都心部の交通渋滞緩和を目指し、外環道(東京外かく環状道路)建設にあたり、平成2年から4年にかけて東京都練馬区大泉町3丁目で発掘調査が行われました。丸山東遺跡です。そこで住居跡2軒、方形周溝墓7基、溝跡1基が見つかりました。方形周溝墓とは四角い墓地スペースのまわりを囲むように溝が掘られているものです。

方形周溝墓4号を中心として様々な副葬品が出土しましたが、その中でガラス玉が71点、管玉5点ありました。それらを再びきれいに糸を通して形作られたものが上記の写真(※1)です。美しく深い色合いのガラス玉・管玉は性別を問わず似合いそうです。 展示用の押しピンの大きさと比べてみると(※2)、ガラス玉と管玉がどれだけ小さいか、一目瞭然ですね。
丸山東遺跡
※2 写真1拡大図

ガラス玉の形が一つずつ少しずつ異なって、手作り感満載の素朴な形です。でも、このガラス玉、作るには案外いくつもの工程と集中力を必要とするもの。亡くなった方のお守りとして、あるいは死後の生をいつまでも美しく着飾ってほしいといった思いがあったのでしょうか?

出土したものはガラス玉、管玉の他に、弥生式土器が12点あったそうです。このうち10点は、底に穴が開けられており、実用品とみなされない、すなわち何らかの別の目的や儀式に使われたと考えられているのだそうです。

また鉄剣1口(※3)も出土しました。もっとぼろぼろに腐食劣化しているのかと思いきや、剣の先端部分の形もきれいに残っています。

練馬区内での鉄剣の出土は今の所、これだけだそうで、関東地方でも稀少な例とのこと。支配者層を葬ったお墓と考えられています。
丸山東遺跡
※3 鉄剣
同館収蔵品

自動車の往来が激しい外環道ですが、2000年近い時間を遡れば、そこで確かに誰かの冥福を祈る時間があったのだなあと、しみじみ思います。そして遺された人々の死者への愛情が、地中にたくさん詰まっていることが伝わってきます。

 
参考資料:
練馬区HP 丸山東遺跡方形周溝墓出土品
練馬区独立60周年記念誌「ねりま60」
東京都文化財情報データベースHP 丸山東遺跡方形周溝墓出土品
2017/10/28  長原恵子