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アート・歴史から考える死生観とグリーフケア |
夏秋草図屏風草稿 酒井抱一 作
出光美術館蔵
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作品名: |
夏秋草図屏風草稿 |
作者: |
酒井抱一 |
寸法: |
102.0x181.4cm |
技法: |
紙本着色 |
形式: |
二曲一双 |
制作年: |
文政4年(1821) |
所蔵先: |
出光美術館 |
出展先・年: |
「江戸の琳派芸術」出光美術館, 2017 |
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酒井抱一が取り組んだ「夏秋草図屏風」(国立東京博物館 所蔵)は、こちら文化遺産オンラインHPから閲覧することができますが、今日ご紹介の作品はその屏風の草稿となります。
東京丸の内の出光美術館で開催されていた「江戸の琳派芸術」の出展作「夏秋草図屏風草稿」です。こちら抱一61歳の作品となります。
二曲一双のこちらの屏風草稿、右隻には夏の草花、左隻には秋の草花が描かれています。左隻には薄が風にたなびき、弧を描いていますが、その穂の先を伸ばしていくと、そこには朱色の葉が風に舞い踊っています。薄の根元には蔦が絡まるように生えています。しっかりと大地に生えていた蔦の葉が、緑から朱色に変わる。そして期を熟した時に、朱色の蔦の葉は風に乗って空へ向かう…その様子は、まるでこどもが亡くなる瞬間、巣立っていく様子を表しているかのように思えました。
身体はこの大地に残しても、魂はこんなに自由に、どこにでも進んで行ける…。そうイメージできるような作品です。
「夏秋草図屏風」の本編は経年変化を受けた紙本銀地着色であるためか、全体が少し暗い感じを受けますが、草稿は紙本着色であるため、本編より明るいトーンに感じられます。だからこそ、明るい世界に向かって自由に飛び立ちますように…そういう願いが届きそうな屏風草稿です。 |
2017/11/4 長原恵子 |
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