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アート・歴史から考える死生観とグリーフケア |
金銅飾履
(韓国・国立全州博物館 所蔵) |
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(撮影許可あり) |
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出土 |
韓国 高敞郡 鳳徳里古墳群1号墳 |
員数: |
1双 |
制作年: |
百済・5世紀 |
所蔵先: |
国立全州博物館(韓国・全州) |
出展先・年: |
国立全州博物館(韓国・全州), 常設展示, 2017/10 |
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こちらで江田船山古墳出土の国宝 金銅製沓をご紹介しましたが、2017年10月に韓国の全州博物館を訪れた際、同様の品を見ることができました。
こちらは圓光大 馬韓・百済文化研究所が全羅北道 高敞郡の鳳徳里古墳群1号墳を発掘調査した際、出土したものだそうです。5世紀百済のこちらの履き物、底中央には装飾された竜模様、かかと部分には力士像、鳳凰紋が表現されている(※1)そうです。実に見事です。
また高敞鳳徳里1号墳4号石室からは金銅飾履のほかに中国製青磁、須恵器、硬玉製勾玉も出土された(※2)そうですから、相当身分の高い権力者だったのでしょう。
こちらの飾履、もちろん実用的な靴ではありません。死者を弔うための副葬品の一つです。しかし1600年ほど時代を遡った時、こんなに見事な彫金が施されていたことが、本当に驚きです。また同じ頃の時代に朝鮮半島と熊本で同じような飾履が古墳に収められていたことを考えると、死者に向けるまなざしは海を越えても変わらぬものだったと知ることができます。 |
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展示物そばの壁面には解説用ソフトが用意されていました。
自由自在な角度から、この飾履を見ることができます。靴の底の裏面まで見ることができます。
きっと江田船山古墳出土の金銅製沓もこのような感じかなあと想像するためにはとても役立ちますので、ご紹介したいと思います。 |
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丁寧に形作っていく一刀一刀、そこには死出の旅路の向かう先が、美しく光り輝く飾り履きが似合うような素晴らしい世界でありますように…そんな願いが込められていたのだろうと思います。 |
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引用ウェブサイト・資料
※1 「5世紀の百済の金銅履き物が出土」中央日報日本語版, 2009/9/29
※2 朴天秀(2016)「古代韓半島における硬玉製品勾玉の移入とその歴史的背景」『第2回古代歴史文化協議会講演会資料』古代歴史文化協議会, pp.1-8
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写真はすべて当方撮影(2017/10 韓国 国立全州博物館) |
2018/4/11 長原恵子 |
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