病児・家族支援研究室 Lana-Peace(ラナ・ピース)
Lana-Peace 「大切なお子さんを亡くされたご家族のページ」
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土面
(個人寄贈・東京国立博物館 蔵)
 
品名:
土面(どめん)
 
出土:
長野県松本市波田(はた)上波田(かみはた)出土
数量:
1
時代:
縄文時代(後期)・前2000〜前1000年
所蔵先:
個人寄贈・東京国立博物館蔵
展示会場:
2018/4 東京国立博物館 平成館
(写真撮影許可あり)列品番号:J-17949
 
土で作ったお面、土面(どめん)は縄文時代後期から晩期に作られ、日本の東から北にかけて多く出土しています。土面は儀礼で使われたと考えられ、その種類は二つ。土面には目や口をくり抜いた顔面大のものと、くり抜かずそれより小型のものに分けられます(※1)

今回ご紹介の松本市波田上波田出土の土面は両目と口は穴がくりぬかれています。長さは15.5cmです。一体、どんな儀礼で使われたのでしょう。
写真1:土面 側方より

この土面の表情はとてもやわらかです。凛々しい眉や高い鼻、そして鼻と口元までの幅の広さから大人の顔を模している様に見えます。集落で尊敬される長老などの顔だったのでしょうか。
それでも口元などはあまりにもあどけない素朴な表情のため、老人というよりは少年の方がピンと来る感じもあります。例えば彫りの深い顔立ちの少年を模した土面?もしそうだとしたら、夭逝した幼児のデスマスクとして作り、自分たちの生活空間の中に写真のように飾っておいたとか…。
そんな風に考えるとこの土面、家族の手によって土がこねられ、形が作られ、焚火の中にくべられてできたものかもしれません。「いつまでもずっとそばにいてほしい」そういう願いと涙と共に。

 
<参考ウェブサイト>
※1 国立博物館所蔵品統合検索システム「土面」
 
<写真>
写真1 土面 側方より(当方撮影・撮影許可あり)
   
2018/8/20  長原恵子