東京国立博物館敷地の正門を入って左側に進むと、法隆寺宝物館があります。こちらに納められているのは「法隆寺献納宝物」。明治11(1878)年、奈良県斑鳩町の法隆寺に伝来していた300点を超える宝物が皇室に献納され、第二次大戦後は国有化されて文部省の所管となり、現在、法隆寺宝物館で展示されているものです。
銅板透彫の蓮弁形光背はしっかりした太い直線と曲線の組み合わせが印象的です。「銅」ということはこの光背が作られた当時はもっと赤茶色の華やかな色合いだったのでしょうか。光背中央のはしごのように見える部分は、主となる仏様の坐像、立像があった場合、正面からは見えるはずない場所。それでも丁寧に透かし彫りされたことがわかります。
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