Sちゃんとの死別の後、Sちゃんのお母様の新しい生きがいが、何であるのか私は存じ上げておりませんが、少なくともご自分の気持ちを高い壁で囲って孤独に苦悩しているのではないことは、はっきりと言えます。
どなたか病気のお子さんやそのご家族にとって、プラスになるようなことのお手伝いをしたい…という気持ちなのだろうと思います。新しい世界を見つけられたのだろうと思います。
お子さんを「生きがい」と思っていらっしゃる方にとって、お子さんが亡くなられた後、暮らしはぼろぼろになってしまうかもしれません。
「自分は生きていても仕方ない」と思うかもしれません。
でも「もう生きがいなど見つからない」と思う気持ちを横に置いて、
目には見えなくなってしまったお子さんがあなたのそばに今、存在していたと考え、お子さんと一緒に過ごすあなたの生きがいを見つけてみてはどうでしょうか。
「<あなた>の生きがいは何ですか?」という問いは、
「<あなたとお子さん>の生きがいは何ですか?」に変わるのです。
お子さんがやりたかったことをあなたが挑戦してみるのも良いでしょう。
それによってもたらされる新しい環境、新しい人間関係、新しい体験は、きっとあなたの日々の心の揺れをポジティブなものへと変えてくれる力を持っていると思います。お子さんもきっと、そうあってほしいと願っていると思います。 |