数年前に起こった出来事を、ここに事実のみ、そのままの形で書き記したいと思います。
私は、17歳になる娘を失いました。娘は5年にわたって闘病生活を続け、最期の8カ月間は寝たきりの状態でした。娘は亡くなるまで、常に非凡な知性と、意思を持ち続けました。
娘は、何か夢中になっているような表情をしていたので、私は
『何を思っているの?』と聞きました。
すると娘は、ベッドを囲むカーテンを指さして、
『ママ、あそこを見て』と言うのです。
示された方を見ると、そこに人の形のようなものが立っているのが見えました。背景のカーテンの暗い色とは違い、すべてが白いもので、際立って見えました。
私は霊のことなど全く思ったことのない人間でしたので、驚愕のあまり目を閉じ、それ以上見ないようにしました。
娘は私に言いました。『見えるでしょう?』
私は、ふるえる声で『何も見えないわ』と言いましたが、娘は私の弱さを見透かすように言ったのです。
『ああ、ママ、私はこの3日間というもの、いつも同じ時間に同じものを見ているのよ。あれは亡きパパだわ。
私を迎えに来てくれているの!』
娘はこの15日後に亡くなりました。
しかしあの白いものは、再び私には見えませんでした。
私が見たあの日、その出現の強さはきっと頂点に達していたのだと思います。 Z・G(サイン)
引用文献:
レイモンド・ムーディ著, ポール・ペリー著, 堀天作訳(2012)
『臨死共有体験 永遠の別世界をかいま見る』ヒカルランド, pp.183-184 |