埼玉県さいたま市岩槻区の真福寺貝塚から出土した印象的な土偶が、東京国立博物館に展示されていました。みみずく土偶と猿形土製品です。みみずく土偶と言っても、鳥のみみずくを表しているわけではなく、人間のような手足があります。朱に塗られた顔面部、耳たぶに埋め込むような当時の特徴的な大きな耳飾りなどから考えると、儀式を執り行う人をかたどったものかもしれません。みみずくのお面を被り、羽飾りを頭につけ、メイクを施した人物を表しているのでしょうか。
何を目的に作られたのか定かではないものの、今から3000年から4000年も前の人がこれほど丁寧に作り込んだ土偶。とても大切な意味があるように思います。
そしてもう1つご紹介するのは、同じ真福寺貝塚から出土した猿形土製品です。こちらは今から2400年から3000年前のものです。展示会場の解説板によるとニホンザルだそうで「縄文人にとって人とよく似たサルは身近な存在であり、恐れうやまう存在でもありました。」とのこと。
さてこれらが出土した真福寺貝塚は埼玉県さいたま市岩槻区にありますが、貝塚と低湿地遺跡(泥炭層遺跡)から成り、竪穴住居跡の遺構、土器、土偶、耳飾り等が出土し、貝塚からはヤマトシジミなどが出土しています。 |