加彩舞人・楽人
(東京国立博物館 蔵) |
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品名: |
加彩舞人・楽人(かさいぶじん・がくじん) |
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制作地: |
中国 |
数量: |
3躯 |
時代: |
中国 後漢時代・1〜2世紀 |
所蔵先: |
個人寄贈・東京国立博物館 蔵 |
展示会場: |
2018/4 東京国立博物館 東洋館
列品番号 TJ-665(写真撮影許可あり)
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土製の3体の俑(よう:墳墓に副葬品として収められた人形)です。
1体は高さが14.5cm、ほか2体は高さが11.5cm(※1)です。右手を真っすぐ伸ばして高く後方に上げ、左肘を曲げて前方にかかげているポーズをとっている俑は、音楽にあわせて踊っているのでしょうか?左足をしっかりと前に踏み込んで、とてもエネルギッシュです。
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冒頭の写真の中央の俑は両手で何かを持って吹いているように見えますが(写真2)、展示会場に添えられていた解説文(※2)によると「しょう(草かんむりに粛の旧字を書きます)」という管楽器を演奏している様子を表現しているそうです。日本で「しょう」という名前の伝統楽器は、神社の儀式で奏でられる美しい和音(合竹)が印象的な「笙」がありますが、この俑の「しょう」とは違う楽器です。この俑は長さの順に並べて管が束ねられているパンパイプ型のしょうを演奏しているようです。
冒頭の写真の向かって右端の俑は右手に何か握っているように見えます(写真3)。振りながら音を鳴らしてリズムをとるような楽器かと思いましたが、文化遺産オンラインの解説によると、これは打楽器だそうです。 |
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着座している2体の俑は正座というよりは、お尻の両脇に下腿がくるように座っています。ところどころ、朱色の部分が見えます。作られた当時は、もっと色鮮やかな俑だったのだろうと思います。
管楽器と打楽器による音楽と共に舞を披露するこの俑たち。さぞ、明るく賑やかな雰囲気を醸し出したことでしょう。
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日本の古墳から出土する琴を弾く埴輪の場合、琴は神託を受けるための特別な意味を持っていました。しかし中国では後漢時代、墳墓に葬られる主人に娯楽を提供する舞人・楽人の俑がとても流行した(※3)ということですから、これらの俑はきっと、純粋に死者の魂を慰め、死後の世界での生を楽しいものでありますように、という願いが込められたものですね。 |
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<参考資料・ウェブサイト> |
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<写真> |
写真1 |
加彩武人(当方撮影・撮影許可あり) |
写真2~4 |
加彩楽人(当方撮影・撮影許可あり) |
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2018/8/12 長原恵子 |