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小さい頃にお絵かきしているこどもたち、いろんな色を選んで好きなようにきままに描きます。大人はそこに、あれこれ講釈を後付けしてしまいがち。たとえば「こういうところにOO色を使っているのは、抑鬱している心情を反映している」とか。でも、本当にそうなのかな?

たとえば、すべてのこげ茶一色で描かれた絵。もしかしたら、その色の持つ波動がその時のこどもの心に調和して、自然と手が伸びたのかもしれない。その時の一番心を落ち着かせてくれる、居心地の良い色がこげ茶色だったから…。そうやって、こどもは自分の心の調整を行っているのかもしれません。

そんな風に考えると、こどもが色を選ぶ時、そこには大人よりもずっと広くて柔軟なこどもの了見が反映されているのかもしれないと思います。そう考えるきっかけが、佐々木博之さん・佐々木志穂美さんご夫妻の著書『洋平へ(主婦の友社)』の中にありました。

佐々木さんご一家(詳しくはこちらをご参照ください)の次男大(ダイ)君は自閉症。こちらは絵を描いていた時のエピソードです。

ある日、自宅で、トロピカルフルーツの絵を描くといって、画用紙を十に分割して、十二個のフルーツの断面図を描き始めた。
さすがは食材フリーク。何も見ずにさっさと描く。うまいのだが、パックの色をもっとバランスよくいろんな色を使えばいいのに、緑の横にまた緑だったり、赤の下に赤があったり。

「パステルの色、いっぱいあるんだから、もっとバランス考えた
らいいのに」

「キワオにはキワオの気持ちがあって、グアバにはグアバの気持
ちがあるから。そのフルーツがバックには何色が似合うかだけ
を考えてあげたんだよ。一つ一つの気持ちにくらべたら全体の
バランスなんてどうでもいいんだよ」

この子の言葉でこんなに納得させられたのははじめてだった。
いつもはまともな雑談が成立しないダイだけど、実はキラキラした感性も胸の深いところに持っているのかもしれない。


引用文献:
佐々木博之・佐々木志穂美(2010)『洋平へ』主婦の友社, p.108

自閉症とかそういう病気の枠を超えて、病気とは関係なく、人それぞれの持つ感性って、のびやかでたおやかですね。
大君の「人生」にとって、一番似合う色は何色か、ご両親は探す毎日だったんだろうなあ。それを肌で感じていた大君だからこそ、自然に出てきた言葉なんだろうなあ。一つ一つの果物の気持ちを考える、大君の言葉。

一方で、全体を眺めて、調和が図れるように考えてしまいがちの大人。

でも、その調和って、何のためのものなんだろう。 誰のための?
でも…調和が求められる場面もあるし、調和を保ちつつも、それぞれの個性がつぶれないっていう方法、どうやったらあるんだろう。

 
何気なくお子さんが描く絵、そこにはすごい宝物が埋まっているのかも。それは大人のがちがちの既成概念の枠を超えたところで。
長原恵子
 
関連のあるページ(佐々木博之さん・志穂美さん)
「7年越しの贈り物」
「平凡な日々が生み出す力」
「それでも頑張る人」
「「心のひとさし指」を見つけた母」 
「グアバの気持ち」 ※本ページ
「つながる心」
「幸せをもたらすいろいろな形」
「出会いを通して開く窓」
「手のひらの幸せに気付く人」