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佐々木さんご一家(詳しくはこちらをご参照ください)のお母様の志穂美さんは、三男航(わたる)君が、自閉症の最初の診察を受けられた時の様子を、次のように回想されています。

初診の日、診察室で頭突きをしてまわる航を見て、精神科の医師と、相談に乗ってくださる先生(特に自閉症について詳しいと聞いている)が、おかしそうに笑われた。
診察室で頭突きしてまわる航を見て、
「来年の自閉キャンプ、参加決定って感じだなあ」


引用文献:
佐々木志穂美(2006)『さん さん さん〜幸せは、いろんなかたちでそこにある〜』新風舎, p.52

医師がお子さんのことを見て、おかしそうに笑う…?その字面だけ見ると、なんだか不謹慎のように感じる方もいらっしゃるでしょう。でもその場で、志穂美さんが医師の様子を不快に思わなかったのは、きっと航君に向けられた医師の眼差しの中に、愛おしいといった感情が込められていたことを感じられたからではないかなと思うのです。

二人がおかしそうに航を見ているのを見て、私はスーツと肩が軽くなった。その目が、航の行動に驚いてなかったからだ。「想定内の行動」といった目で見ていた。

航だけが、世界で一番大変な子ではない。きっと、たくさんの
「航」を先生たちは見てこられたんだ。そして、おかしそうに笑われるってことは、大変さには終わりがあるんだ。

そっか。親は、試行錯誤で育児するだけでなく、いろんな専門家の知恵を借りればいいんだ。

困ったとき、つらいとき、「親だから」と、がんばりすぎなくていいんだ。

「助けて」そう言えばいいんだ。

私は、すこぉし、かしこくなった。


引用文献:前掲書, p.52

診察を受けることは、これから病気と向き合っていくための「仲間」を得る始まりともいえます。そして、その医師だけでなく、医師を通してもっと出会いが広がっていくことだとも言えます。何しろその医師は、同じ病気のお子さんを何人も診てきているのですから…。
医学の専門教育を受けた人、というだけでなく、たくさんの診察経験を通して得られた先生の「知恵」もあるし、診察の際、親御さんからうかがったことによって得られた「日常生活のエピソード」も山ほどあるわけです。そのお話一つ一つの中に、それぞれのご家庭での苦労や工夫された点など、宝となる情報が満載です。もちろん親御さんが自分自身、試行錯誤も大事だけれど、先に歩んできた人たちの知恵を借りて、生活の中に取り入れていくことは、気力、体力の消耗を減らすことにもつながりますね。

「助けを求める」先は、医師だけでなく、地域の保健センターであったり、友人や親族など、いろいろな方向があると思います。特に一般の周囲の方々にとって、何か力になりたいと思っていても、自分がどこまで何を、どういうタイミングでやれば良いのか、見当がつかないことが多いはず。また親切の押し売り、有難迷惑のように思われるのも悲しいですしね…。距離感も大事です。そう考えると、なんだか難しくなってしまうけれど、だからこそ、ご家族から「サポートしてほしいな」って発信するものがあれば、よりニーズに沿った形で得られるのではないかなあ。それは「大変さ」をいつまでも続かせないためにも…。

 
親御さんだって一人の人間。すべてを全部自分で抱え込んで頑張りすぎないで。それは手を抜いているのではなく、もっとお子さんとの時間を大事にするためなのだから。
長原恵子
 
関連のあるページ(佐々木博之さん・志穂美さん)
「7年越しの贈り物」
「平凡な日々が生み出す力」
「それでも頑張る人」
「「心のひとさし指」を見つけた母」 
「グアバの気持ち」
「つながる心」
「幸せをもたらすいろいろな形」
「出会いを通して開く窓」 ※本ページ
「手のひらの幸せに気付く人」