この世で永遠に築き続けられるカテドラルと言われた時、思い浮かぶものはバルセロナにあるサグラダ・ファミリアですけれど、私たちが生きている世界をあのような壮大な建築物と例えたならば、自分は一体、どんな役割を果たす要素であるのか、考えてみるのも良いと思います。
カテドラルの中でも、神の光を美しく取り入れるステンドグラスのような華々しいものに例えるのではなく「小さな柱頭」と表現する、ルノワールの謙虚さ。何とも感慨深いものです。
才能のある人ほど、そうなのかもしれません。
そして、リウマチの進行により、不便さを抱えながらも、あえて制作量を増していく大きな意欲。
それは「自分が一生をかけて、なすべきこととは何か」を見つけ出していたから、できたことなのだろうと思います。
あなたのお子さんが思春期を迎える頃、あれこれと広がると夢と、病気と生きる現実との乖離に、溜息をついているかもしれません。
でもそれが「自分のなすべきことだ」と強く思えると良いですね。
ルノワールが、晩年もかわらず黙々と努力を続けられたように、きっと自分を突き動かす原動力になってくれるはずですから。 |