病児・家族支援研究室 Lana-Peace(ラナ・ピース)
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大いなる存在によって守られるこどもたち

こちらでこどもの臨死体験について、海外で調査されたこどもの臨死体験を取り上げましたが、こどもたちは決して恐怖にさらされていたわけではありません。なぜなら、安心を感じられるような存在との出会いがあったからです。それは大きくわけると二つ。宗教的で神秘的な非日常の色合いを持つ存在との出会いと、ご縁のある人々との出会いです。今回は前者についてご紹介したいと思います。

手術の途中で心停止した17歳の少女ヴァレリーは、トンネルの中を進み、自分の人生の断片を次々と見ることとなりました。泣き出してしまったヴァレリー。きっと驚き、心細かったのでしょう。今までそうした経験はなかったのですから…。

やがて天使が現れた。まぶしい輝きに包まれ、目を見張るほど美しい天使は、私を慰め、大丈夫だよと言ってくれた。私は、まだ死にたくないのと訴えたのを覚えている。わかっていると天使は答えて、下を指さした。見ると医師たちが少女に蘇生処置を施している。はっきりそうとわからないまま、私は自分の手術をすっかり目撃した。CPR(訳註:心肺蘇生法)も何もかも。

あんなに若いのにかわいそう、と私が言うと、医師たちは彼女を生き返らせるよ、と天使が答え、すぐに私は押されるようにして、苦痛に満ちた肉体に投げ戻されるのを感じた


引用文献:
ジェフリー・ロング, ポール・ペリー著, 河村めぐみ訳(2014)
『臨死体験9つの証拠』ブックマン社, p.145

他にもそうした例はありました。5歳の男児ポールは、学校の制服を仕立てた帰り道、自宅近くの道路でライトバンに轢かれました。彼は何かが近づいてくるとわかったものの、つい二、三歩駈け出してしまったゆえの事故。きっと新しい制服ができて、ポールの気持ちはとても昂揚していたのでしょう。

自分が風船のように空中に浮かぶのを感じた。体が上っていって、ゆっくりと目を開けると、自分の体が道路脇に横たわっているのが見えた。本当に恐ろしかった。何も感じないまま上空へ上っていったけど、誰かがとてもやさしく、見返りのない愛で運んでくれているのを感じた。ぼくは体を動かし、顔を上げて誰が運んでくれているのか見ようとした。それは、聖母マリアだった。彼女は青とピンクのドレスを着て、冠をかぶっていた。彼女に抱かれ、とても心地よかった


引用文献:前掲書, p.202

天使、聖母マリア、それは生きている時の信心によって、その表れ方、認識は異なるのかもしれません。そうした存在は臨死体験をした本人だけを助けるだけでなく、その場にいて一緒に被害を受けた人も助けてくれるようです。次の例をご紹介しましょう。

11歳の少女ジェニファーはひどい交通事故に遭ってしまいました。その現場に浮かび上がった彼女は、ぐったりして動かない自分の身体を見下ろしていました。もしかしたらあまりに突然で事態を飲みこめていなかったでしょうし、あるいは事故の惨劇に呆然としていたかもしれません。その時、ジェニファーに呼びかける声が聞こえてきました。同乗の運転手を助けるように促す声が…。

その声はこう言った。
「彼は鼻がとれている。戻って彼を助けなさい。出血多量で死んでしまう」。 私は言った。「いやよ。ほかの人に言って。私が助けなくても大丈夫よ。 戻りたくないの。どうしても」。

すると声が言った。
「どうすればいいか教えてあげます。車の床から彼の鼻をとって、シャツを脱がせなさい。鼻はあなたの足と彼の右足のあいだにあります。それを彼の顔に押しつけて、血を止めなさい。ただの血です。恐れることはありません。私がついています(思い出せる限りでは、私はずっと声と一緒だった)。
ジェニファー、彼を歩かせて道路の右側へ。車が来たらその人に、近くの病院に運んでくれるよう頼むのです。その運転手を落ち着かせて、あなたが生まれた病院まで案内してあげなさい。道はわかるでしょう。これですべてはうまくいきます。あなたがするのです。わかりましたか?」


引用文献:前掲書, pp.202-203

ジェニファーは自分の身体に戻ると、霊的存在の言ったとおりにしました。体外離脱するほど彼女も大きな衝撃を受けていたはずなのに、身体に戻れたのはその声の主の力によるものだったのでしょうか…? ともかく、ジェニファーは通りがかった車に助けを求め、病院にたどり着くことができました。ジェニファーの働きが功を奏し、運転手は命が助かりました。そして彼は鼻の皮膚移植を受け、その傷はほとんどかすり傷程度にまで治ったというのです。その時の治療にあたった救急の医師は大変驚き「今日私がここで目にした奇跡は、言葉では説明できません」と語ったそうです。確かに第三者的にこの事故の一連の流れを見れば、世の中の常識を超えていると感じることは無理もないでしょう。
火事場の馬鹿力といった表現をすることがありますが、もしかしたらそれらの現象は、実はまだ科学では証明できないような力のご加護を得たものかもしれません。

手術中の心停止や痛ましい交通事故であっても、しっかり見守り、助けようする存在がいる……そう考えると、とても心強い思いがします。

2017/11/9  長原恵子
 
関連のあるページ(サム・パーニア医師とジェフリー・ロング医師)
「こどもの臨死体験と医師」
「幼児・中学生の臨死体験」
「大いなる存在によって守られるこどもたち」※本ページ
「ご縁のある人々によって守られるこどもたち」
「いつかまた逢う日まで」※本ページ