「眠っていたのは知ってる。
でも、上の方にいたときに見えたんだ」
「眠っていたのに、どうして上から見ていられたの?」
「だから言ったでしょ? 女の人と飛んでたときに……」
ある日、亡くなった母が私と同じくらいの年齢だった頃の写真を見ていると、アンドリューが言いました。
「この人だ。あの女の人だ」
引用文献:前掲書A, p.109 |
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アンドリューの手術中、非常に危険な状態に陥った時、彼のそばには他界した祖母が一緒にいたのですね。彼は祖母と過ごした時のことを、次のように絵に残しています。 |
前掲書A, p.108 |
上の絵の二人の様子を拡大してみると、どちらもにこやかな表情であることが伝わってきます。雲が浮かび、足の下に広がるお花畑。 |
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アンドリューは祖母と二人で楽しそうに飛んでいます。この絵からは、ちっとも恐怖や怯えなどは感じられません。まるでお花畑でのピクニックの一場面かのようです。気持ちが晴れ晴れとするような時間をアンドリューは祖母と一緒に過ごしていたのでしょうね。後日、アンドリューはこの絵のことを自分と亡くなった祖母とを描いたものだ、と証言したそうです。
瀕死の状況になった時、先祖が助け、励ましてくれる例をもう一つご紹介しましょう。13歳の少年ブライアンが溺れた時のことです。 |
ぼくは境界へと近づいた。説明などなくても理解できた。その境界を越えてしまったら二度と戻れないということが。越えてしまえば、すべては終わりだ。
ぼくはどうしようもないほど興奮し、境界を越えようとしたが、そこで先祖たちの存在に気づいた。彼らがテレパシーで話しかけてきたのだ。ぼくは重度の聴力障害者で、家族は全員耳が聞こえた。そして全員が手話を知っていた。ぼくは20人ほどの先祖と手話で語り、ほかの人とはテレパシーを使った。
こんなにたくさんの人々と同時にテレパシーで話せるなんて信じられない。ぼくは圧倒されてしまった
引用文献 B:前掲書A, p.106
ジェフリー・ロング, ポール・ペリー著, 河村めぐみ訳(2014)
『臨死体験9つの証拠』ブックマン社, p.180 |
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生まれた時から、まったく耳が聞こえないため、手話や読唇術などを使って他者とコミュニケーションをとっていたブライアン。彼が溺れた時、まだ人生を終える時ではないのだと、先祖が総動員で知らせに来たのですね。それも、彼がわかるように手話やテレパシーを使って…。
私達が生まれ出てくるための先祖をたどって行けば、もうそれは数えきれないくらいの数の先祖が存在することになるでしょう。私達の脳裏に一度も浮かんだことのないような人々。でも、たとえ自分がその先祖の存在を知っていなくても、先祖に見守られていることが次の例でわかります。6歳の少年ピーターが重度の切り傷で出血多量となった時のことです。 |
そして左を見ると、ぼくが九カ月のときに亡くなった祖母がいた。彼女のそばには死んでしまった身内が何千人もいた。
彼らは半透明の霊の姿をしていた
引用文献:前掲書B, p.182 |
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赤ちゃんだった孫が6歳の少年へと成長する間、祖母はずっと見守っていたのですね。そして危機的な状況の時には何千人もの親族を連れて…。よほどピーターに「あなたはまだ、死んではいけないのよ」と伝えたかったのでしょう。
自動車事故で頭部外傷を受けたミッシーはトンネルを通り、女の子に出会いました。 |
私は子供と出会った。それは火事で死んだ姉だった。彼女が死んだとき私は一歳ぐらいだったが、私にはそれが姉だとわかった。彼女は家族にそっくりだった。ずっとあとになって家族写真のアルバムを見たとき、それが姉だったことを確認した
引用文献:前掲書B, p.186 |
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ミッシーの記憶の中では、こどもの頃の姉の記憶はなかったのですね。それもそのはず、1歳の時の死別なのですから…でも姉の魂は幼い妹をずっと見守り続けていたのですね。火事によるこどもの死、それがどんなに悲惨な状況であったとしても、そのこどもの魂は妹をずっと見守る優しさと強さを持ち続けていたのだと知ることができます。 |
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