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どんなに時が経っても、何十年経っても、お子さんを亡くした悲しみは、まるで昨日のことのように思い出され、胸に迫ってきます。親御さんの心の中に、その死に対する自責の念を伴っている場合、お子さん亡き後の人生を「ただもうひたすら、辛いだけだ」…そう言い表わされる親御さんもいらっしゃるかもしれません。
でも、罪の意識を持ち続けるあなたのことを、お子さんは心の底から憂い、心苦しく思っているかもしれません。あなたが心を傷めた年月と同じだけ、等しい年月を、お子さんも一緒に…。
今日はそうしたことに気付けるお話を、ご紹介したいと思います。
アメリカのジョージ・アンダーソンさん(詳しくはこちらをご参照ください)のリーディングを受けたある老婦人は、若い頃、息子さんを亡くされていました。母乳を与えながら添い寝していた時、うとうと眠ってしまい、運悪く女性の身体が息子さんのお顔をふさぐような形になって、時が過ぎてしまったのです。
息子さんがお空に帰った後、妻を責めるような夫の激しい言葉を受け、女性は辛い日々を送りました。警察からも取り調べを受けました。
待望の赤ちゃん。大事に育てていた赤ちゃん。
育児疲れもあって、つい寝入ってしまっただけなのに、向けられた疑いの目。まるで悪夢のような日々が続きました。
女性はそれからずっと四十数年、息子さんに毎日、毎晩、長い祈りを捧げました。息子さんへお詫びしたい気持ち、息子さんの平安を願う気持ち…。
そして、ついにジョージさんのリーディングを受けた日、息子さんからは次のようなメッセージが届きました。 |
「『あれは事故だ。お母さんのせいじゃない。単なる事故で、お母さんにはまったく責任がない。それだけ言えばお母さんはピンとくるはずだ』と言っていますが、意味がわかりますか」
「ええ……」
老婦人は目をつぶり、その言葉を噛みしめている。
「『長い間、あのことでお母さんが苦しんでいるのを見ていて、つらかった。僕が死んだことで、お母さんを苦しめてしまって、ごめんなさい。
でも、ここに出てきて、お母さんのお祈りがしっかりこちらに届いていることを、そして僕が安らかだということを、お母さんに知ってもらって、本当に嬉しい』と言っています。
……とてもレベルの高い魂ですね。白く光って見えます。
ああ、今、息子さんは喜びに光り輝いていますよ……」
「ありがとうございます……」
老婦人は頭を下げ、ジョージに手を合わせた。
引用文献:
糸川 洋(2012)『トゥルー・ミディアム』Kindle版,
第二章 子供を亡くすこと 「親を思う子の気持ち、子を思う親の気持ち」 |
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四十数年の時を経て、息子さんからのお返事が届いて、本当に良かった…。
リーディングが終わった後、ジョージさんは次のように語りました。 |
「あの息子さんの霊は、本当に嬉しそうでしたよ。リーディングをしてもらうことは、あの世の霊にとっても、こちらの対象者同様に、心が安らぐ経験なんですね。
あのかたは、とてもつらい目にあったようで、お気の毒です。
でも、心からのお祈りは本当にあの世に届くんですよ。
これでよくわかったでしょう」
引用文献:
前掲書,
第二章 子供を亡くすこと 「親を思う子の気持ち、子を思う親の気持ち」 |
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どれほど疑われても、真実はあなたのお子さんが一番よく知っています。そして、苦しかった日々も、祈りを捧げてくれた時間も、お子さんはすべてを知っていたのです。そして祈りはしっかり、お子さんの元に届いていたのです…。
そう知ると、死によってすべてが終わったわけではなく、お子さんとの間が引き裂かれたわけではないと、確信することができると思うのです。 |
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あなたの祈りはお子さんを思う愛情から生まれたもの。必ず、お子さんに届き、そのおかげでお子さんは安らかに過ごせています。 |
2016/7/21 長原恵子 |
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