お子さんが亡くなった後、 「生きがいを失くした」「自分が生きていく理由がない」 そんな気持ちになって、生きている時間が苦行のように思えてならない、という方がいらっしゃいます。 小田和正氏のアルバム「小田日和」の中に、次のような歌があります。
人生は思ってたよりも、ずっと厳しく
夢は遠ざかり、なんか切なくなる そんな時は、迷わず
もう一度夢を、追いかければいい 何度も、何度でも、また追いかければいい この街はいつも、あの頃を思い出させる
心の中に残る、伝えなかった想い(略)
その想いを、今、伝えればいい いつだって、決して遅すぎることはない 引用楽曲: 作詞・作曲小田和正(2014)「この街」(アルバム「小田日和」より)
お子さんに会って話したいことがあれば、それをずっと心の中にしまいこんでしまうのではなく、今、語りかければいいのだと思います。 だって、肉体の束縛から解かれたお子さんは、 「小さい音だから聞こえない」 「遠いから聞こえない」 そんなこの世の中の制約などに、とらわれることがないのですから。 あなたの心は今、悲しい気持ちや苦しい気持ち、悔やむ気持ちでいっぱいかもしれません。 そんな時、あなたの心のお部屋は扉や壁が固く固まっています。 お子さんがあなたの心をとんとん、とやさしく叩いてみても、あなたは気付かないかもしれない。あまりにも、かちかちだから。 だから、まずは心の中の思いを言葉にしてみましょう。 言葉は、あなたのお子さんに届くだけでなく、あなたの氷結した心の扉ををだんだんと緩めてくれます。 あなたのお子さんの「夢」は何でしたか? お子さんの数の分だけ、その夢はあると思います。 その夢が叶う手伝いを、あなたがすればいい。 あなた自身が、お子さんの代わりに夢を実現化するのではありません。 お子さんがその夢を叶えるためには、とても遠い道のりであり、その道中経験しなければいけない、いろいろなことがあったはず。 例えば電車の運転手さんになりたかったお子さんのためには、あなたがいろんな所にでかけて、電車にのってみるといい。 写真をとったり、乗り心地を確かめてみたり、先頭車両に乗って運転席から見える風景をしっかりと目に焼き付けたり。 お子さんが生きていれば、きっとしただろうなぁということをあなたがすることによって、より深くお子さんの気持ちがわかるかもしれません。 お子さんに心の中で語りかけながら、あなたがそうした行動をとっていくことは、きっと、あなたに新しい道をもたらしてくれるはず。 あなたの知らなかった世界がどんどん広がり、今までになかった人とのつながりが生まれてくるかもしれません。 でも、それはお子さんがあなたにもたらしてくれた、大きなプレゼントなのです。どうか尻込みしないで受け取ってください。