お子さんに先立たれてしまった後、「時間」が自分にとって苦痛をもたらすものに変わった、という方がいらっしゃいます。 1日が長すぎる。いつまでたっても今日が終わらない。 いつになったら自分も子どものところにいけるだろうか。 お子さんが生きていた時には、あれほど大切で、かけがえのなかった時間が、今は自分に苦しい思いを生み出すだけのものに変わってしまった… 小田和正氏のアルバム「小田日和」の中に、次のような歌があります。
言葉に届いた優しい言葉 思い出の中の特別な場所 流れる時に負けない思い 今日という風を感じて今を生きていく そんなことが何よりも大切に思えるのは 信じるべきものがあるから そして、君がいるから
心に浮かんだ素直な思い 周りのすべてに、支えられて 今だから見える景色がある 今だから聞こえる言葉がある そんなことが何よりも大切に思えるのは 信じるべきものがあるから そして、君がいるから
引用楽曲: 作詞・作曲小田和正(2014)「今のこと」 (アルバム「小田日和」より)
「信じるべきもの」があることによって、今日が大切になり、今が大切になると歌われています。 信じるべきもの、人それぞれ、異なるでしょうが、それは何? 「この世の人生は有限だけれど、その後、身軽になって命が続く」ということではないかなぁと、個人的に思います。 続く命、終わらない命。 早く逝ってしまったお子さんは、あなたよりも先にそれを知っているから、あなたに伝えたいのだと思います。 この世での人生は、長い命から見たら第何章であるか、わからないけど、「子どもに先立たれた悲しみから無気力になって、人生を無為に過ごすことになってしまったという章にしてはいけない」と。 「どうか自分の人生の「今」を楽しみながら、十分過ごしてほしい」と。 「今日という風を感じて生きていく」 「今だから見える景色」「今だから聞こえる言葉」 それがあなたの心の隙間を、少しずつ埋めてくれるようになります。 どうか、お子さんのその思いが、あなたの心の中に届きますように。 そして、お子さんの思いに応えて、あなたが元気を取り戻せますように。